貴方の人生、私の人生

幼馴染 ページ19

慎太郎side.




A「がおー。」



慎太郎「出たな怪獣レッドマン！！」



A「名前めっちゃヒーローっぽい。」



慎太郎「俺の必殺技を受けてみろー！」



わー、とか、
ぎゃー、とか、
散々騒ぎながら通る帰り道。

俺とAは家が隣だから、
いつも一緒に帰っていた。



A「じゃあね慎ちゃん。またね。」



慎太郎「うん！！また後で！」



どうせ隣同士だから
家に着いてバイバイってわけじゃなくて、

大体学校帰りにお互いが
「また明日」と交わすことは無かった。



慎太郎「ただいまー！！！」



慎太郎ママ「慎ちゃん！！！Aちゃんは！？」



慎太郎「え？さっき家入ってったけど？」



「おかえり」を言う間もなく、
バッと隣へ走っていったママの後を追う。


いつもみたいに窓からじゃなくて、
きちんと玄関から入ると、

ママが立っているAの肩を掴み、
目線を合わせるようにしゃがみこんでいた。







慎太郎ママ「Aちゃんよく聞いてね。Aちゃんのママとパパが…。」










その悲惨な報せを聞いたときの
Aの顔は、今でも鮮明に覚えている。











Aのママとパパが居なくなった
って知ったのは、


俺達が修学旅行から
帰ってきたときだった。






廿楽と三人で買い物へ行った帰りに、

酔っ払ったおっちゃんが運転した車が
Aん家の車に突っ込んだ。






二人は即死だったらしい。






後部座席に居たママの方は、
廿楽を抱き締めた状態でいたって聞いた。







そのおかげで廿楽は打撲だけで済んで、





何が起こったかよく分かっていないまま
俺のママに連れられて病院から帰ってきた。









そんな廿楽を、
Aは静かに抱き締めていた。

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