【鬼滅の刃】陽光の巫女

猪頭 ページ37

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はるかちゃんのお母さんに持たせてもらったおむすびを頬張りながら、ひたすら歩くこと数時間。
　

ちょっと休憩、と木の幹に寄りかかる。
　


あとちょっとで日が暮れちゃうなぁ…。


すんごい眠いなぁ…。
　
ちょっとだけ寝ようかな…。仮眠、数分だけ…









「オイお前！鬼殺隊か！この山の鬼は俺の獲物だぞ！」
　

なに…。うるさい…



「おい無視すんなッ！」
　


なんだよもう…。

ちょっとくらい寝かせてくれてもいいじゃん…。
　

重たい瞼を押し上げると、私の視界一杯にイノシシの顔面が映った。
　





イノシシの
　


顔面
　



超近くに。





「くぁｗせｄｒｆｔｇｙふじこｌｐ！？！？」
　





思わず抜刀してしまったのは許してほしい。


条件反射なんだ。命の危機かと思って抜いてしまった。
　


いやだって仕方なくない？


結構寝ちゃったらしくてもう薄暗いしさ？

そんな中目覚めたら眼前にイノシシの顔だよ？



「んだテメェ！？勝負か！？俺と勝負がしたいんだな！」


「あ、まって色々誤解してるごめんって！？」
　

何故だかめっちゃギザギザの日輪刀を二刀持って襲い掛かってくる猪頭さん。
　

上半身裸で超腹筋われてるし声低いし超速いし猪頭怖いし、いやちょっと個性が強すぎないかなとか思ったりするわけです。



「ちょ、本当にごめんなさい！謝るから、ほんと、斬りつけてくんのやめてっ」
　

隊服は着てないけど、日輪刀を持ってるってことは鬼殺隊の人だ。

そうと分かった以上、刀で応戦するわけにはいかない。
　

抜刀した刀を収めて頑張ってかわしていると、ものすごい速さで真横から伸びてきた太い腕に身体をつかまれた。





「…あれ」
　


鬼だ。
　

図体が大きい鬼に捕まってしまっている。
　


よく見るとこの鬼、身体中に鼓が生えている。


和太鼓なら叩いたことはあるが鼓はない。



ちょっと叩きたいけどそれどころじゃない。




私、どこ連れてかれるんだろう。





「ちょ、おいぃいぃい！鬼この野郎！俺を無視するんじゃねぇええ！！」



猪頭さんの姿はすぐに見えなくなった。

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