妖物語＜妖怪病棟医院長＞ (ページ6)

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第肆話　座敷わらしと雷獣ページ6

今日、座敷わらしの紫さんが遊びに来ました。
目的は雷獣先生のようで。

紫さんは珍しい子です。
子供から怖がられている雷獣先生にとっても懐いています。

雷獣「ん、紫。今日はどうかしたか？」
雷獣先生も、懐かれているのは満更でも様子。
むしろ、子供が好きなので喜んでいますね。多分。

雷獣先生、いつも飴持ち歩いているので、紫さんにプレゼントしてるのです。
顔が怖くなければ子供から絶大な支持を得ると思うのに。
本当に残念な人です。

雷獣「お、寝猫。いつも見回りご苦労さん。」
爽やかな笑顔なのでしょうが…普段の顔がね。
寝猫「当たり前のことです。雷獣先生も子守ご苦労様で。」
紫さん以外子供いませんが。

雷獣「まぁな。懐いてくれるのコイツだけだけど…」
雷獣先生は紫さんを抱っこした。

寝猫「紫さんももの好きですよね。」
雷獣「もの好きってなんだ…まぁ否定はできないがな…」
寝猫「否定できないならいいじゃないですか…」
そう言い放つと、「相変わらず寝猫は毒舌だなぁ…」っと頭を掻き、苦笑いした。

寝猫「それでは…私は忙しいのでここら辺で。」
ペコリとお辞儀をしてその場を去った。

～雷獣目線～

はぁ…相っ変わらずの寝猫の毒舌をドストレートに受けた…
まぁ、寝猫はそれがいいところなんだろうなぁ…逆に。

だが…確かにこいつ以外、俺に懐いてくれないしなぁ…
顔が怖いからかな？子供好きなんだが…

雷獣「なぁ、紫は俺のこと怖くねぇのか？」
紫「…気にしてんの？」
雷獣「くっ…」

寝猫にしろ、紫にしろ…なぜこんなにも尖ってるんだ？
まぁ、懐いてくれてるだけいいんだけどなぁ…

紫「私は…」
雷獣「ん？」
俺が色々と考えていると紫が口を開いた。

紫「私は…來人先生…優しいから…好き…」
うわっ、何今の…泣きそう…
子供に好きって言われたことなかったから切実に嬉しいんだけど！？
※ロリコンじゃないです。

雷獣「ありがとう！！」
力いっぱい紫を抱きしめた。
紫は「？」といった顔をしているが。

雷獣「あー…この仕事してて良かった…」
心の底から思えた瞬間だった。

よし。これからもっと頑張るぞー！

寝猫「…単純…なんですね。」
雷獣「なっ…！寝猫いたのかよ！！」