５３ ＜水憐＞ ページ10
(初めてかもしれない・・・こんな気持ちになったのは〉
少年は安心していた。
腹も満たされ、人ではないが温かい優しさにも触れ、幸せとはこうなのだと思っていた。
ふわふわとした意識の中、狐の方を見れば、優しいまなざしでこちらを見ている。
母とはこういうものなのだろうか？
亡き母との無き思い出は、少年の心の片隅にすらなかったけれど、母とは温かいモノだとは知っていた。
自分を嫌う村の子どもたちも母親のもとではただのか弱い子であった。
安心しきっていた。
母とは強く、優しく、時に厳しいモノだと知っていた。
その後、狐と生活をするようになった。
少年は狐にだんだん心を開いていった。
狐にだんだん懐いていった。
いつしか少年は狐が居なくなることを思うと不安になった。
普段、狐が人の姿をしているためか狐が妖だと言うことを忘れていった。
狐を本当の母だと錯覚するようになった。
誰かのぬくもりに触れたことなど皆無の少年には、狐の優しさは甘い毒であった。
一度手に入れたら、放したくない甘い甘い毒であった。
【坊よ。】
【なんだ。】
【うむ、少し山へ行って来ようと思ってな。留守を頼めるか？】
狐が遠出をすることはこれまでにも何度もあった。
【わかった。】
少年はこれまでとおりに快く承諾をした。
【うむ、では行ってくる。１０日ほど空けるでな。】
【そうか。】
狐は家から出ていった。
それから１０日。
２０日。
1か月経っても狐は帰ってこなかった。
少年は待った。
いつまででも待った。
それから1年。
狐が帰ってきた。
少年は喜んだが、狐は大怪我をしていた。
何があったのか聞いても狐は答えなかった。
少年にとっては狐が何も話さなくても幸せだった。
そこに狐がいるだけで。
それほど狐にいれこんでいたのだ。
☆★☆★☆
はいはい、水憐です。
ずれちゃったかなぁ・・・
瑠河に軌道修正を頼んでこの辺で。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
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あずきいろ
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西 - この方角に福があるはずです
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瑠河 - 卯月ユウさん» い、今、気づいた…！ありがとうございます！二人に迷惑かけないよう三人で頑張ります！ (2013年10月21日 5時) (
レス) id: 05926b04ec (このIDを非表示/違反報告)
水憐 - 卯月ユウさん» ありがとうございます！三人で完結まで突っ走って行きます！ (2013年9月14日 11時) (レス) id: 642eeef69d (このIDを非表示/違反報告)
胡麻 - 卯月ユウさん» 有難うございます！三人で頑張ります！ (2013年9月3日 19時) (レス) id: 68aa594dab (このIDを非表示/違反報告)
卯月ユウ(プロフ) - 今日初めて見たのですが続編おめでとうございます！とても面白いですっ！更新楽しみに待っています！これからも頑張ってください (2013年8月30日 18時) (レス) id: 52f94a8716 (このIDを非表示/違反報告)
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