62 <水憐> ページ19
「僕と君のお母さん。優しい人だったんだね。」
狐丗は涙を流しながら言った。
少年を慈愛に満ちた目で見つめながら。
少年に語られた母のことを想いながら。
優しく微笑んだ。
《・・・わしと・・・おまえの・・・》
信じられない。
そんな響きのある呟き。
「うん。君のお母さんと僕のお母さんは同じだよ。僕は彼女から生まれたし、君は彼女に育てられた。つまり、僕らは義兄弟だ!」
《きょう、だい・・・》
「そう!僕と君は家族なんだよ!まあ、正しく言うともう1人いるんだけどね。外にさ、僕の義弟がいるんだ。瀬っていうんだけど、これがまあ問題児でね。大変なんだ。」
《・・・》
「でね、僕も瀬しかいないし、瀬にも僕しかいないんだ。血のつながり云々じゃなくて、精神的に家族っていうのがさ。」
「だけど!2人しか居なかった世界に君が現れた!君という兄弟がいたんだ。僕にとってそれは最上級に嬉しい事なんだ。幸福なんだよ。瀬にとってもきっと。あの子は寂しがりやだから。僕も。君もさ。僕ら兄弟はみんな寂しがりやなんだ。」
《・・・さ、みし・・・さみ、しい・・・》
力強く演説をする狐丗。
少年はかみ砕くように、言葉をゆっくりと口にする。
「そう。僕らは寂しがりやな兄弟だ。1人では生きていけない、弱い兄弟なんだ。僕には瀬が、瀬には僕がいた。君には?今までは居なかったかもしれない。でも、違うでしょ?僕がいる。まだ会ってないけど、瀬もいる。1人じゃないんだ!もう寂しくないんだよ!」
《・・・》
「ねえ、ここは暗いよ。こんなとこにいるともっと寂しいよ。外は君にとって嫌なところかもしれない。でも、もう1人じゃない。僕がいる。瀬もいる。外で戦ってるみんなもだ。」
《・・・だ・・・やだ。もう1人は嫌だ!》
「うん。1人は嫌だよね。寂しいもんね。ねえ、僕たちと外に行こうよ。明るい所へさ!」
《明るい所。出たい。ここから出たい!》
「決まりだ。じゃあ、自己紹介。僕は狐丗。君は?」
《・・・ない。わしには名がない・・・》
「そう・・・んー、じゃあ、夜尋は?夜を尋ねるで夜尋。ね、どう?」
《・・・や、ひろ・・・夜尋。わしは夜尋。》
「よろしくね、夜尋!」
《よろしく、狐丗。》
そして、2人はしっかりと手をつなぎあった。
☆★☆★☆
どうも、水憐です。またも会話文だらけです。すまぬ。
次は瑠河だよん♪頼んだ!
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瑠河 - 卯月ユウさん» い、今、気づいた…!ありがとうございます!二人に迷惑かけないよう三人で頑張ります! (2013年10月21日 5時) (レス) id: 05926b04ec (このIDを非表示/違反報告)
水憐 - 卯月ユウさん» ありがとうございます!三人で完結まで突っ走って行きます! (2013年9月14日 11時) (レス) id: 642eeef69d (このIDを非表示/違反報告)
胡麻 - 卯月ユウさん» 有難うございます!三人で頑張ります! (2013年9月3日 19時) (レス) id: 68aa594dab (このIDを非表示/違反報告)
卯月ユウ(プロフ) - 今日初めて見たのですが続編おめでとうございます!とても面白いですっ!更新楽しみに待っています!これからも頑張ってください (2013年8月30日 18時) (レス) id: 52f94a8716 (このIDを非表示/違反報告)
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