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no side
⚠死の描写あります。苦手な方はUターン推奨


リョウは狂ったように男の名前を呼んだ。辛うじて息があったその男はリョウを見て微笑むと

「ここまで着いてきてくれてありがとう。そして、巻き込んですまなかった。」

「…私たちはあなたに助けられた。謝らないでください。」

「私と出会わなければ、お前たちは戦いに身を投じなくてすんだのに…。危険に晒してすまなかった。」

「そんなこと言わないでください!あなたが助けてくれなかったら私たちはもっと早く死んでいました!!私たちを救ってくれたのはあなただ!」

震える手でリョウは男の手を握った。

「だから…あなたに着いていくと決めたんだ。それがどんな道であろうとも…。」

その言葉を聞くと男は微笑んだ。

「では、俺から最後のお願いをしていいか?」

「…なんですか?」

男は震える指先で部屋の奥を指さした。

「誰にも…伝えてなかった、隠し通路が…この部屋の先にある。それを、使い、今すぐここから逃げろ…。そして、過去を捨てて生きてくれ」

「そんな…。」

男はダテの方を見た。ダテはその時の状況の中、3人の内では1番冷静にこの場を判断できる状態だった。だからこそ男は、

「ダテ、2人を頼む!」

ダテは4人では逃げれないことを悟っていた。
息も絶え絶えな男やリョウたちを抱えて逃げるにはこの炎の中では無謀すぎる。
このままだと4人全員死んでしまう。

「くっ…。」

ダテは男の言いつけ通り、泣き喚くリョウ、呆然としていた翔太2人を抱えてその部屋の先にある逃げ道を使い外へと逃げた。

男は3人が外へと脱出する様子を見届け…そして火に包まれた建物と共にその生涯を閉じた…。

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さくら(プロフ) - orikacoさん» コメントありがとうございます!温かいお言葉、本当にありがとうございます、励みになっております!これからも亀更新ではございますが楽しんでいただけるよう精進します! (2023年2月18日 23時) (レス) id: 1995ada5eb (このIDを非表示/違反報告)
orikaco(プロフ) - お忙しい中、更新ありがとうございます!久しぶりの更新に歓喜しております( ˊᵕˋ*)さくら様のペースで大丈夫なので、これからも頑張って下さいね。気長に楽しみにしています。 (2023年2月8日 21時) (レス) @page20 id: 95f4d7b396 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 鳥本さん» コメントありがとうございます。お礼を伝えるのが大変遅くなってしまい申し訳ありません。温かいお言葉本当にありがとうございます! (2023年2月8日 21時) (レス) id: 1995ada5eb (このIDを非表示/違反報告)
鳥本 - すごく面白いです (2021年12月5日 19時) (レス) @page16 id: 68c869632c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さくら | 作成日時:2021年6月12日 18時

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