修羅の町のポリ ページ6
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「ーーーしんせんぐみって、ああ……そっかあ」
警察か警察。
くらりと高い門構えを見上げて私は独りごちた。
元居た場所が治外法権だったから独自の警備体制が敷かれていただけで、地上にはお上が整えた法組織が幾つかあるのは知識として知っていた。
まあ逆に、と言うべきか。「こっち側」の警察は「あっち」で誰が何をやらかしてもそうそう出張ってくる事はないのもまた知っていた。
然るべき理由が出てくるまでは、だけれども。
閑話休題。何にせよ、警察なる字面の時点で逃亡者の身としては心理的に抵抗がある。
ていうか先生、ここを「上客さん」とは。さては相当に顔が広いな？？？
「てっきり魚屋か何かだと思ってたのに、まさかだあ」
「誰が新鮮組だバカヤロー」
「うおうっ！？！？」
誰に言ったでもない独り言に突如返事が返り、ひゅうと反射的に喉が締まる。
相当恥ずかしい事言ってたぞ、と言うのは最早思考の外で、首を痛める勢いで背後を見ればかっちりとした制服に身を包んだ黒髪短髪の男が居た。
私より少し年上だろうか。そうそう居ない涼しげな美丈夫であるが、不思議とそれを打ち消すだけのガラの悪い威圧感がある。
スッパスッパ吸ってる煙草も一役買っているだろうが、
「顔が怖い原因は瞳孔の開きすぎ……？」
「オイ何なんだテメーは失礼オンパレードか」
「あっスミマセン口が滑って。えっと？ここの？警察の？方ですよね？？」
「疑問符が全部物語ってんだよ。ブタ箱ブチ込んでやろうかこのクソアマ」
「ガラわっるう……」
「あァ？」
口を開く度に凄まれる。修羅の国なの？かぶき町。思わず逃げ腰で足に力を込めてしまったが、背中の薬箱の存在を思い出して踏みとどまる。
自分からやると言ったのだ、こんなお使いも出来ないようじゃ先生に顔向け出来ない。
「……じゃなくって！毎度ありがとうございます医院より薬をお届けに参りました！真選組の担当者様をお願いします」
「医院……ああアンタ、
「まあ、そんなもんです。ちょっと……江戸に疎い所から来たもので、未だ勉強中ですが。
果宝と申します、どうぞよしなに」
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木の実(プロフ) - はるさん» はじめまして！大変に恐れ多いコメントをありがとうございます…！言い回し等は探り探りの作成であった為、その様なコメントを頂けるととても嬉しいです！はる様のコメントを励みに続編作成に注力したいと思います。これからも何卒よろしくお願い致します！ (2021年10月8日 8時) (
レス) id: 5cf2525d27 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 初めまして。コメント失礼します。世界観が私好みですっかりハマってしまいました。設定が細かく丁寧で、言い回しが綺麗なので読んでいてすごく楽しいです。作者様がとても優しい方なのだと伝わってきます。これからも応援してます！ (2021年10月6日 23時) (レス) @page41 id: 9d3e0aca39 (このIDを非表示/違反報告)
木の実(プロフ) - ☆辻村春樹☆さん» はじめまして、コメントありがとうございます！世界観や表紙絵にまで言及頂き大変に嬉しいです…！勿体ないお言葉をありがとうございます！何卒これからもお付き合い下さると幸いです！ (2021年8月31日 10時) (レス) id: 5cf2525d27 (このIDを非表示/違反報告)
☆辻村春樹☆(プロフ) - 初めまして。吉原編が深く関わる、この小説ならではの世界観がとても素敵だと思いました。つい何度も読み返してしまうくらい好きです。続きを楽しみに待ってますね…！トプ画のイラストも、作品の雰囲気に合っていて、凄く良かったです！ (2021年8月29日 23時) (レス) id: 4b0a37e42a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：木の実 | 作成日時：2021年8月29日 0時
