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Kageyama.t ページ20

なにか物言いたげな顔をしている。
「どうしたの」と聞けば返ってくるのは決まって
「なんでもねぇ」という一言だけだった。
仕事で疲れてるのだろうと思い、そっとしておく。
今日は早めに寝よう、と思い寝室へ向かった。

寝室の椅子に座りお茶を飲んでいると飛雄が入ってきて、少し固い様子だった。


「お話が…あります」

「うん、どうした?」


やっと言いに来てくれたかと思えば、
改まっているので、なにか深刻な話でもあるのかと身構える。


「その、あの、」


となかなか言葉が出てこない様子だった。
そんな言い難いことなのかと思い「ゆっくりでいいよ」とほほ笑みかければ、


「Aのこと、誰にも渡したくねぇ」


言われたのはそんな言葉だった。
深刻な話かと思っていた私は気持ちがとても軽くなった。
「だからその、、」とまた下を向く彼。
と思いきや、ばっと顔を上げ、


「俺と、、け、結婚、してくれません、か」


そう言ってケースから開かれ見えたのは
銀色にきらっ、と光る指輪。
突然のことでびっくりしたのもあるが
それ以上に嬉しさで視界がぼやける。


「本当はなんかスゲーところとかで言うんだろうけど
ここが俺たちの全てになると思うから」


だから、ここにした。そう言って私を真っ直ぐみる。
確かに他の人はもっと違うところでプロポーズされるのだろう。でもココ 、家を選んだ理由にまた胸がきゅう、となる。飛雄らしいというのが合うだろうか。


「よろこんで」


この返事以外見当たらなかった。
大好きな人にプロポーズされるなんて、どれだけ憧れたことか。不器用な彼なりに沢山考えてくれていたのだろう。そう考えるだけでとても嬉しかった。

お互いに、左手の薬指に指輪をはめ、どちらからともなく唇を重ねる。


「愛してる」


その言葉が聞こえた途端また、甘いキスが私を襲う。


「ん、ふ、ぁっ、」


角度を変えて、降り注ぐ貪るようなキス。
息をしようと少し口を開ければ舌が入ってきて
頭がくらくらしてくる。


「俺、そんな余裕ねぇ」


どさ、という音とともに背中に広がる柔らかいベッドの感覚と腹部に重み。
綺麗な大きい手で私の頬を撫で、


「お前が欲しい」


なんて言う彼は、いつもの凛としている顔ではなく
少し苦しそうな、言う通り余裕のない表情だった。

ひとつ、またひとつとボタンが外されていく。



甘い夜は今から始まる。

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美穂 - 初めまして。大地さんをリクエストしたいです!更新頑張ってください! (2020年4月27日 17時) (レス) id: f7b3d5ed55 (このIDを非表示/違反報告)
- リクで古森君お願いします!! (2020年4月23日 10時) (レス) id: e243e47ef4 (このIDを非表示/違反報告)
*絲* - リクエストなんですけど、研摩お願いします! これからも、頑張ってください!! (2020年4月1日 13時) (レス) id: 7b8cd78f7f (このIDを非表示/違反報告)
はるな(プロフ) - リクエストです!縁下と、福永お願いします (2020年4月1日 8時) (レス) id: 9cbf5805b4 (このIDを非表示/違反報告)
黒タヌキ - 覚くぅぅぅん…!!!程よいチョロさと相変わらずの鋭さが最高にいいです!!覚くんの涼しい顔が浮かべそう、天童推しとしてもう…!!!(≧∇≦*)リクエストですけど、欲といえば昼神幸郎くんを思い出す…無欲だと言われてる人が欲を曝け出すところが見たいです! (2020年3月28日 16時) (レス) id: f4f8bcd305 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:よーぐると | 作成日時:2020年3月11日 16時

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