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***挿絵あり ページ2

「いや、すまない。子供なのに死体を見て平気そうな顔をしているものだから」



疑問に思ったことを素直に伝えれば、少年は「な、慣れてるから…」と答える。




「慣れるほど殺人事件に遭遇してるのか?」



「まあ…」



「物騒な街だな。大丈夫なのか? この街は」



「あはは…、お兄さんはこの街に越してきたばかりなの?」



「ああ、昨日。明日から学校なんだが、その前にこの街を散策しててね」



「お兄さん、イギリス人だよね?」



「…なぜ分かったんだ?」



ずばり、私をイギリス人だと当てた少年に尋ねれば、少年は「簡単な事だよ」と笑う。何となく、既視感を覚えた。




「注文を頼んだ時、指で2を表した時、それはヨーロッパ式の数え方だったし、何より電話で英語を喋ってたでしょ? イギリス人の英語の発音はアメリカ人と違って母音が綺麗に発音される。お兄さんの喋り、すごく綺麗で"イギリス人"って感じだったよ」









「……ほぅ、凄いな少年。まるで名探偵だ」



「えへへ、テレビで見たから…」



「そうだとしても、それは記憶力が良いということ。その知識を瞬時に出せるのは並の人間には出来ないだろう。そしてその知識から答えを導き出すのは、まさに名探偵。


お見事だよ、少年。子供だとは思えないな」



「あ、あはは、ありがとう」



少年は照れながらも、何故か冷や汗をかいていた。



きっとこの少年は何かを隠しているに違いない。私が彼___シャーロックのような名探偵であれば、この少年の正体を見破ったかもしれないが、生憎私は彼の産みの親であって、彼自身ではない。



推理というものは、専門外である。



私はただの小説家。



「さて少年、邪魔をして悪かったね。戻るといい。君にはやるべきことがあるんだろ?」



「………うん!」




少年は力強く頷いて、走っていった。
まだほんの子供だというのに、私は彼が必ず事件を解決するように思えて仕方がなかった。



そして、見事に事件は解決した。



解決したのは少年ではなく、少年の連れだったようではあるが___。

***→←File1:小説家、犯罪の街へ



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水無瀬 零(プロフ) - 面白かったです!ベイガー街の亡霊楽しみにしてます! (2022年5月24日 20時) (レス) id: f8abb227c5 (このIDを非表示/違反報告)
(^ω^) - 楽しみにしてます! (2021年12月11日 9時) (レス) @page10 id: bd739fb955 (このIDを非表示/違反報告)
雲雀 - 面白かったです。更新楽しみにしています。これからも頑張ってください! (2021年7月30日 9時) (レス) id: 69d630334c (このIDを非表示/違反報告)
ふわふわ(プロフ) - 平井くんが思いの外イケメンで動揺が隠せません (2021年6月12日 9時) (レス) id: 579ee633f4 (このIDを非表示/違反報告)
プリン(プロフ) - 面白いです!!更新楽しみにしてます! (2021年6月9日 19時) (レス) id: fad1ae5811 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雨ノ | 作者ホームページ:   
作成日時:2021年5月13日 21時

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