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「すぐ、るくん、あの、ね」





ひとつずつ、お願い事を言っていた彼女は、やがて苦しそうに呼吸をし始めた。
傍らに座っていた青年は血相を変えて、ナースコールを押す。




だが、彼はもう分かっていた。




そんなことをしても、無駄なことを。





そして少女も分かっていた。
もう、己が死ぬことを。





「すぐ、る、く」



「もういい! もういいから! もう、しゃべらなくても、」




青年は苦しそうにしながらも、なおも言葉を紡ごうとする少女に、顔を歪めた。
ひゅー、ひゅー、と少女の口からか細い息が漏れる。




だが、彼女は。





「おね、がい…、さいご、の、おね、が、い。


これだけ、は、ぜったい、ぜったい、まもってね、」




「_____A、」




少女が青年に向かって手を伸ばす。
だが、青年はその手を握らなかった。___握れなかった。



少女のやせ細った腕が、手が、宙を掴んで力無く落ちる。




しかし、少女は微笑んだ。




青年の瞳から、一粒、涙が零れ落ちた。






「すぐるくん、






あのね____」






少女が青年にその言葉を告げた時、心電図モニターから、けたたましいアラームが鳴り響く。




少女の命の危険を告げる警告音。




青年は懇願する。






「A、A! お願いだ、私を、私を置いていかないでくれ…! 君がいなくなったら、私は、A____」




少女は答えない。





「いくな、おねがいだから、いかないで、




____……かみさま」





ピ________。





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オフトン(プロフ) - めっちゃ泣いた…素敵な作品ありがとうございます (2021年9月12日 20時) (レス) id: fdf923727c (このIDを非表示/違反報告)
いたりー - 最初の方から大泣きしました。私は後悔しないようにしようと思いました。ありがとうございました。 (2021年4月8日 0時) (レス) id: 3170693201 (このIDを非表示/違反報告)
面影草(プロフ) - めっちゃ泣きました。私も曾祖母、伯母が亡くなった時にそばにいてあげられなかったのをすごく後悔しています。すごく刺さりました。素敵なものをありがとうございました。 (2021年4月7日 22時) (レス) id: ad0305c35a (このIDを非表示/違反報告)
雪マカロン - とても感動しました、素敵な作品をありがとうございました! (2021年4月7日 22時) (レス) id: c9091179e7 (このIDを非表示/違反報告)
ひらーぎ(プロフ) - とても面白かったです…! (2021年4月7日 21時) (レス) id: 4c8e90ae61 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雨ノ | 作者ホームページ:   
作成日時:2021年4月7日 20時

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