いつの間にか貞子になってたので無双する【呪術廻戦】

貞子ライフ08 ページ9

＊






＊


「うわ気持ち悪いな呪霊」



帳が下ろされ、目的の呪霊が現れた。
地べたを這いずり回る呪霊に、貞子は引いたような声を上げる。



「うわ地面這ってるよ気持ち悪ッ！！ あっ、何か井戸あるし井戸から出てきてる奴いるし気持ち悪ッ！！！」


「それ全部ブーメランだよ」



遠回しに己をディスる貞子に、夏油は苦笑をこぼす。

しかし貞子は聞こえてない様子で、気持ち悪いを連呼していた。




「なんか物理はちょっと無理そうだな」


「だろうね」


「いやでも気合い出したらいけるかもしれない。いける気がする」




何を根拠にしたのか、いけると言い出した貞子。
そしていつの間に付けたのか、白いワンピースのお腹ら辺にあるポケット(見た目は完全に四次元ポケ○ト)に手を突っ込んだ。


いつの間に付けたんだ四○元ポケット。


そしてド○えもん貞子はポケットの中から何かを取り出した。



「テッテレーー！ スマートフォン〜！！」



「現代の便利道具出してきたね」



どこから出したのか鼻声でそんなことを言いながらスマホを取り出した貞子。
ちなみにスマホは最新の機種だった。


貞子は機器の流行に敏感な女の子なのである。

さて、スマホを一体何に使うのか。

…確か貞子は、電子機器ならばどこにでも入り込めたはず。
それを活用して何かしらの作戦でもあるのだろうかと夏油は首を傾げた。




「何か策でもあるのかい？ そのスマホを使って…」


「いやBGMです」


「BGM！？」



貞子は手馴れた様子でスマホを操作しながら、そう告げた。

その答えに夏油は、思わず惚けた表情を浮べる。



「よしっ」



BGMがスマホから流れ出す。


その曲は＿＿＿、









＿＿＿＿アン○ンマンのマーチだった。




そして貞子はリズムに合わせて身体を揺らしながら呪霊の攻撃を素早く交わし、そして、拳を握り＿



「愛と勇気だけがとーもだっちっさッ！！ ﾍｲｯ！！」



そう叫んで呪霊を殴った。


空気を読んだ呪霊は「ﾊﾞｲﾊﾞｲｷーﾝ」と呟き、粉々に消し飛んでいったのだった。

貞子ライフ09→←貞子ライフ07

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す