事の始まり�� ページ1
事の始まりは、彼氏の浮気だった。
まあ、よくありがちな家に帰ったら、同棲中だった彼氏が他の女とベッドで寝ていた。
……いや、よくあってたまるかこんちくしょうめ。
しかもあろう事か、職場の後輩だったのだ。いやお前らどこで知り合ったんだよ世間狭すぎないか？？？？
そして私は逃げた。なんで私が逃げなきゃいけないんだろうと思うけど、逃げた。
逃げて、どこに行こうかなあって突っ立っていたら、「雨宮さん？」と声をかけられる。
振り返れば、そこに立っていたのは、行きつけの喫茶店のイケメン店員、安室透さんだった。
買い出しの帰りなのだろうか？ レジ袋を下げていても、イケメンだからすごく様になる。
安室さんの姿を見た途端、知り合いの顔を見て安心したのか気持ちが緩んだのか、涙が溢れてきた。
え、と安室さんは目を見開く。
ごめんなさい、そりゃ驚くよね。
だけど、安室さんはすぐに私に駆け寄ってきて、その親指で私の涙を拭った。咄嗟にやった行動なんだろうけど、それくらいじゃ私の涙は止まらない。
すると安室さんはハンカチを取り出して、私に差し出す。
「とりあえずこれを…。あの、お店に来ませんか？ 今ならお客さんも少ないですし…。
話、聞きますよ」
柔らかいその声に、私は「はいっ…」と頷いた。
確かに、ポアロにはほとんどお客さんはいなくて、居たのはコナンくんだけだった。コナンくんも、泣いてる私に驚いて、「どうしたの？ 大丈夫？」と心配そうな声で聞いてくれた。
私はそんなコナンくんにお礼を言いつつ、その隣に座る。
コナンくんは、私の手を握ってくれた。
梓ちゃんはわざわざCLOSEの看板に変えてくれた。
梓ちゃんやコナンくんの優しさに、さらに涙腺が崩壊してしまう。
しばらく、お店には安室さんがなにか作業する音と、私啜り泣く声しか音はなかった。
それからまたしばらくして、ようやく涙も治まった頃、目の前にコトリとカップが置かれる。
「どうぞ、ホットミルクです。ゆっくり飲んでくださいね。そうすると、心が落ち着くので」
安室さんは優しく微笑んだ。
その優しい笑顔にまた涙が出そうになったけど、グッとこらえて、私はホットミルクを飲む。
ホットミルクは、とてもあまくてやさしい味がした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1819人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
天音(プロフ) - あの、めっちゃ続きが気になります！安室さん大好きなんです！あの、めっちゃ有り得ない元カレ(？)と後輩をどうやってギャフンと言わすか気になります！もちろん、プライベートで忙しいかとは思いますが、ぜひ続きをお願いします！どうか、どうかお願いします！ (2022年7月17日 19時) (
レス) @page11 id: 36647ec52c (このIDを非表示/違反報告)
乃々華(プロフ) - 最っ高です！続きがめっちゃ気になります！頑張ってください！！ (2022年4月29日 15時) (レス) @page11 id: 89e1f65dd4 (このIDを非表示/違反報告)
皐月(プロフ) - 好き好き大好きです！！！！作者様のペースで全然構わないので、続きをお願いします！！ (2022年3月31日 19時) (レス) @page11 id: 110914cf9e (このIDを非表示/違反報告)
ゆる猫(プロフ) - 続き楽しみに待ってます！ (2022年3月27日 13時) (レス) @page10 id: b4dc82a248 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 続き楽しみにしてます！ (2021年7月2日 13時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雨ノ | 作者ホームページ：
作成日時：2021年4月30日 21時
