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そのボディガード、狂犬につき ページ4

*




*


「今度こそクビにしてやる!!」


五条少年の叫び声が屋敷中に響いた。
部屋を飛び出した五条少年と、突っ立ったままの有栖川。

他に居た使用人は、五条少年を追いかけて行った。

お世話係の三枝だけは、有栖川を睨んだまま。


「参ったなあ…」

「参ったなあ…じゃありません。全く、悟坊っちゃまのケーキを勝手に食べるなんて…」

「いや、まさかあんなに怒るとは思わなくて」

「…楽しみにしてらしたんですよ。とても」

「……」


有栖川は、その言葉を聞いてじっと、五条少年が出ていったまま開かれた襖を見つめた。
分かりにくいが、長年の付き合いから、彼が悪いと思っているのを表情から感じとったお世話係は、ため息を吐いた。


「そういえば、以前坊っちゃまが仰っていました」


『何でアイツは俺のボディガードになったんだろうな』


有栖川は御三家にも劣らない名家、有栖川家の出身だった。だが、術式もない、滅多に見れない全く呪力を持たない人間だった。天与呪縛によって。その代わり、化け物じみた力を持っている。

有栖川家は、それほど呪術師を重んじる訳では無い。幸い、彼の妹が呪術師として優れた才能を持って生まれたため、有栖川は迫害されるでもなく、自由の身だった。

わざわざ五条家に奉公に来る必要も無かったのだ。

それでも有栖川は五条家に来た。


「…三枝さんは、知ってるでしょう」

「ええ。…ですが、私から教えるのは違うと思いまして」

「…意地悪ですね、貴方も」

「有栖川さんが、直接伝えてあげてください。そうしたら、悟坊っちゃまも許してくれますよ」


そう言って、にっこりと笑う三枝に、有栖川は「敵わないなあ」と頭をかいた。





(…くそ。面倒なことになった)


廃工場。五条少年は縛られたまま、地面に転がされていた。
屋敷を飛び出し、逃げ回っていたところを、捕まってしまったのだ。

いつもはそんなヘマはしないが、油断していた。

誘拐犯は、五条少年の身元など知らないのだろう。当たり前だ、と五条少年は思った。


五条を知る者ならば、先ず手を出そうとはしない。

何故なら彼らは知っているからだ。


五条家の嫡男に手を出せば、どうなるかを。


ーー五条を知る者ならば、彼の事も知っている。


ガシャンと硝子の割れる音がする。


「あ、手ぇ切った」

呑気な声。
五条少年は小さく笑う。

遅い、このノロマ。

ーー五条の狂犬を。

そのボディガード、仕事熱心→←そのボディガード、好みのタイプは



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紅葉(プロフ) - お兄さんの方から飛んできました! 展開にワクワク……とうじさんのこの後の展開にぴえん……多くの感情う渦巻きつつ読んでおります笑笑! 無理なさらぬ程度に更新頑張ってください! 続き楽しみにしています! (2021年3月20日 22時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
shinox2(プロフ) - 五条少年が苦労するとか面白すぎwwwホントなら反面教師になるんだろうけど、恐らく彼を見て育ったから将来クズになるのかと想像してしまいます(笑) (2021年3月14日 22時) (レス) id: 947326f28f (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 好きです(絶命) (2021年3月14日 21時) (レス) id: 824a9496d4 (このIDを非表示/違反報告)
ミミ - 入さん» 本当ですか!!! (2021年3月14日 19時) (レス) id: f539e89f92 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - めちゃくちゃ好みの話です!!!!!!!!!!!!!!!!! (2021年3月14日 16時) (レス) id: 6c29c74858 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雨ノ | 作者ホームページ:   
作成日時:2021年3月14日 9時

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