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「なによ、その顔」
美「いや、うん」
「嬉しそうね。・・・何、彼女出来たの？」
美「いや・・・出来たというか、微妙な時期っていうか」
「微妙？」
美「出来るかもしれない・・・というか」
「あ、そう。また告白待ち？ふふ、ま、出来たら連れ込む前に紹介しなさいよ」
美「・・・うん」
ねーちゃんは俺の顔を見て、「まぁ頑張れ？」と口にすると部屋に入ってからもう一度出てくると「じゃあ、私彼氏の家行くから」と家を出て行こうとするから、「送ろうか？」と声を掛けると彼女はじっと俺の顔を見つめて「じゃあ、よろしく」と頷いた。
美「ちょっと待ってて」
ねーちゃんに言ってから自分の部屋に入ると、ダンボールの中からパセリが覗いているのが見えて思わず「あ、」と声を零した。
美「・・・。」
そういや、Aに返してなかったな。
俺らの始まりであって、運命的なパセリなのに。って本気で思ってる俺がお花畑の向こう側に居るだけなんだけど・・・。Aは俺の「運命的」って言葉には流されないわけで。まぁ、Aはいろいろあったから。AにはAのペースがあって、それに合わせたいと思ったし。
美「Aに引き取ってもらうか」
Aにパセリを預けて、俺と会えなくなっても俺のこと思い出してほしいとそう思った。留学に行った時だって俺は毎日パセリを見つめてAのこと思い出していたわけで。そう思いながら、パセリをポケットに突っ込んでから、ねーちゃんに「お待たせ」と一緒に駐車場に向かった。
「うん、そこのマンション」とねーちゃんが指差した先はこの辺りでも一際目立つタワーマンションで思わず絶句する。
美「・・・彼氏って何者なの？」
「平たく言うと億万長者ね」
美「マジで騙されんなよ。イケメンの金持ちなんて胡散臭いだけだから」
「やだなぁ、人の彼氏をそういうなんて・・・ゆくゆくにはあなたの義理の兄よ？」
美「ねーちゃん、その人と結婚するの？」
「ん〜、まぁするかも？」
美「・・・ねーちゃんが捨てられませんように」
「ひっどい弟(笑)」
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作者名：愛美
| 作成日時：2020年9月20日 2時
