perfect prince (ページ11)

今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:534 hit

・ページ11

『､､､､､､､､､。』

こんないい話はない。
けれど、私“から”5人“に”婚約を持ち込むということだけがどうしても気に入らない。
今まで誰かに恋い焦がれたことなどない。
演技なら朝飯前だが、私のプライドが許さない。

「そういうと思ったから、契約じゃなくて、駆け引きって形にしたんだ」

『､､､､。それで、私の勝利条件は?』

すると5人は怪しげに口角を上げた。
目を細め、獲物を捉える直前の獣のような目。
私はこの目を幾度も見てきた。
だが、これほどまで空気が研ぎ澄まされたことはない。
やはり、大国の王子というだけあって、圧迫感がある。
護衛の人の足などガクブルだ。

「俺たち5人のうち、半分以上、つまり3人を、

堕とせたら、オマエの勝ち。

どう?別に悪い話じゃねえだろ?」

堕とす、とは恋に落とすということだろうか。
それとも、“私”に堕とすということか。
まあ、どちらでもいい。

ばぁう様の言う通り、悪い話ではない。
でも、私の意思は、自由とプライドで揺れ動いていた。
勿論、駆け引きの勝ち負け関係なく、婚約はする。
ただ、この駆け引きは、両者のプライドをかけた勝負だ。
無論、負ける気などしない。