ヘラってる。11 ページ12
誰かに抱き締められている。
私が望んでいた温もり、匂い、がっしりとした手の感じ。
『...っ治、』
何故かぽろぽろと涙が溢れる。
自分で思っていたよりも恐怖を感じていた所為なのだろうか。
「どうしたんだい?私は此処に居る。Aの傍から離れたりなんてしないさ」
だから泣き止んで?と優しい声音で声をかけてくれる。
それが嬉しくて、幸せで、また頬を涙が伝う。
「ねぇ待って?!これじゃあまるで、私がAを泣かせているみたいだから!」
だがこんな些細な幸せも長くは続かない。
始まりの合図は、治の携帯にかかってきた一本の電話だった。
「はぁい私。用件は何?...嘘だろう?冗談はよせ。巫山戯ている場合じゃない。...は、」
たった数秒で顔を青ざめさせた治。電話が切れてもその場に立ち尽くしている。
『どうしたの...?』
「A、今すぐ此処から逃げるんだ。...否、やはり此処に留まるべきか...」
若干様子が可笑しい。
『ねぇ、逃げろってどういう事?』
「それは、」
刹那、私達の部屋の扉がノックされた。
「失礼致します。武装探偵社のお二人にご挨拶に参りました」
ずんぐりとした女将さんがわざわざ部屋まで来てくれた。
具体的な依頼内容も此処で聞く事になっている。
『こちらこそありがとうございます。早速ですが、依頼内容についてご説明をお願いs「ッ湖の件なら、既に解決しました」ちょっと治...』
やけに焦っている治を黙らせ、女将さんから話を聞く。
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桃瀬 都月@つづきちゃん(プロフ) - 名無し9106号さん» ありがとうございます! (2022年12月9日 18時) (レス) id: bee8f469cf (このIDを非表示/違反報告)
名無し9106号(プロフ) - 待ってまぁーす (2022年12月9日 17時) (レス) @page13 id: 8dc0882222 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桃瀬 都月@つづきちゃん | 作成日時:2022年11月28日 22時