【短編集】自給自足(百合)

吸血鬼×提供者(夢主) ページ1

「じゃあ、チクッてするよー？」


「う、うんっ……」



まるで雪のように白い首筋に軽くキスをして


柔らかいその肌に牙を刺す


すると喉に流れ込んでくる、甘くてうっとりするような


美味しいジュース


痛みに顔をしかめながらも、私の黒い髪を邪魔にならないように


そっと耳にかけてくれる


そんな優しさが愛しい


あぁ、本当に彼女は他の吸血鬼にも狙われていないのだろうか


醜い嫉妬心がときどき心にもやもやと広がる


ただでさえ女の子からキャーキャーと黄色い歓声を浴びる彼女だ


私以外とイチャイチャしていたら、そいつの首筋を噛み千切ってしまうかもしれない


どこかの馬の骨に盗られてしまう前に、早く契約を済ませないと



「ねぇ、まだダメなの……？」


「んー、もうちょっと欲しいな？」


「も、もう顔色戻ってるじゃん！もうだーめ！」



仕方なく、刺した痕にキスをすると


恥ずかしそうに制服のブラウスを整えた



「今日は日曜日だよ？A学校行くの？」


「あっ……え、うそぉ!?」


「もー、休日の朝からそんなので本当に学校大丈夫なの？」


「疲れてるのかな……？」


「ふふっ、癒してあげるっ！」



ベッドでぺたんと座ったままの彼女にぎゅっと抱きついて寝転がる


ブラウス1枚だけなんて、そんな格好ズルい


でも、彼女をじっくりと染めてから


ゆっくりと味わいたい


ローストビーフだって、作ったあとに置いておく時間が大事だったはずだ


これも彼女に教えてもらったこと


彼女の右耳についているピアス


それと同じ物が私の左耳についている


あぁ、早く本当のこの力を使いたい


早く彼女を独り占めしたくてしょうがない


頬に暖かい手が触れてふっと我に帰る



「大丈夫……？」


「大丈夫だよ、今日は何しようかなって考えてただけ！」


「あっ、ねぇ今日はずっと一緒に居てくれる……？」


「もちろん離れるわけ無いよ？」


「もっといっぱいぎゅってして頭撫でてくれる……？」


「愛してるんだから、もちろんしてあげるよ？」


「じゃあ、じゃあっ……こっ、高校卒業したら


結婚、してくれる……!?


日本じゃなくても、許されてる国まで行ってっ……！」



頬を真っ赤にさせて、少し声が裏返ったけれど


今まで過ごしてきた中で、一番愛しく、美しく見えた



「私のAになってくれるってことだよね？」



今までの幸せを、一時だけの笑顔に込めて



「喜んで！」

中学生(双子妹・夢主)×中学生(双子姉)→

• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
• 全体運: ★★★☆☆

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