【イナズマイレブン】沖縄でエンジョイしてたのに、急にサッカーしろとか言われて宇宙人との闘いに巻き込まれた水のストライカーとは俺のことである← (ページ21)

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第１９話：水のストライカーの過去３ページ21

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シリ注←

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鼻をくすぐる薬品の匂いと規則的に響く機械音に目を開ける。目の前には見たことがない天井とそれを除く看護師の姿があった。

『……っ』

『！お母さん、お父さん！ Aちゃんの意識が戻りましたよ！』

その呼び声に呼応するように息を切らした父と母が入ってきて、自分の手を強く握った。

『と、うさ、ん…かあ、さ、ん……』

『あ、あ…っ、よかった…！無事でよかった…！！』

『ああ、本当に…A、痛いところとかはないかい？』

痛みも特になく、体が不自由というわけでもなかったが、一つどうしても気になることがあった。

『…いち兄は……？』

その単語を発すると、父母のみならず看護師や医師の表情も曇った。

そして顔を見合わせながら辛そうにその言葉をつぶやいた。

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「意識不明の重体の植物状態。火傷がなかったのが奇跡だったけど、………今までの５年間、一度も目を覚まさない。医者からは死ぬまで一生目を覚まさないって言われた」

「植物状態…遷延性意識障害(せんえんせいいしきしょうがい)か……？」

「さすが、医者の息子だな。

…辛かった、毎日毎日、目を開けないで寝たまま、しゃべらないで機械につなげれた家族の姿なんか見たくなかった……。

どうして？これは何の罪だ？何で、あの時、俺は庇われて、助けられた？

………そこまで生きたいと思ってなかったのに」

次第に声が小さくなり、Aが頭を抱えながらそんなことを言い始める。
目も黒く澱んで行き、声も低くなった気がする

「お、おい、大丈夫か…？」

「っ、わ、悪い。ちょっと鬱になったな…」

豪炎寺が軽く肩に手を置くと、ハッと気付いたようにして乱れた呼吸を整え始める。先ほどとは違い笑顔も戻っていた

「もともと、水のストライカーっていうのは、いち兄の事で二代目を俺が受け継いだって感じなんだよ。

……なんだろうな…罪滅ぼし、じゃないけど。そういうの癖でさ、困っている奴見るとただ単に放っておけないんだ」

表情は髪に隠れてよくわからなかったが、何かが吹っ切れたように微笑みながら立ち上がった。

「聞いてくれてありがとな。少し楽になった気がする」

「大丈夫なのか…？」

「ああ、さてっと…土方が戻ってくるまで必殺技の特訓するかな。」

行こう、と微笑みながら差し出す手を、戸惑いながらも取りながらいつもの道へと歩いて行った。

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