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大野さんがプククって笑ってる。
大野さんの中で私は一体どんな人物になってんだ。
「あの時おかしかった、パソコン詳しい派遣の子に、データのバックアップ探してお願い神ーって拝んでたA」
あはーって笑ってる。笑ってるけど。
あの地獄の日を思い出す。
あのあと翌月まで色んなとこで支障出てた。
「いい思い出ですね……」
「あれをいい思い出って」
「もう二度と嫌ですけどね」
「バックアップ見つかって保存できてよかったよねぇ」
「はい、派遣のあの子には足向けて眠れないくらい感謝してます、名前忘れたけど」
「ほんとに感謝してたら名前忘れないでしょ、足向けて寝てそうA」
「多分普通にそっちの方に住んでるとわかってもベッドの位置動かすことはないので足向けて寝ますけど」
「あはは、Aだー」
そう言いながら大野さんが私の方を優しい目で見つめてきた。
「…………」
「あはは」
「ふふ」
釣られて笑っちゃった。
「Aって飽きないからいい」
「面白がられてる」
「面白いもん」
「えー、可愛いとかキレイだとかそっちがよかった！」
「可愛いのも美人もすぐ飽きるよ」
おおっと！
イケメン発言！
私はイケメンすぐ飽きない！なんなら一生飽きない！
「……褒められたのかな？」
「褒めたー」
「やったー」
ふと。突然我にかえる。
私会いたくて会いたくて会いたくて死にそうな人といま一緒にいて、部屋に連れ込んで、二人でご飯食べてお酒飲ませて一緒に寝ようとしてる、嘘でしょ。
「……」
「ん？」
「いや、これ夢かな？夢かも」
「夢じゃないよ」
うん、一瞬ボーッとした。
お鍋の縁に手をぶつけた。
「熱っ！」
「あ！ばか！」
大野さんが私の腕を掴んで水道の水をじゃああ！とぶっかけた。
「いてて……やっちゃった……」
「夢かな、って確認するのって、ほっぺつねったりするくらいでしょ！鍋触るとかばか！」
「はい……」
「んもー……いつもすぐ頭ぶつけたり……紙で手切って痛ーとか……そんなばっかりだった」
「おっちょこちょいです」
「心配ばっかかけて……」
「……」
「Aのこと付け回してる男いてー、危なかったのに気づいてなかったり」
大野さんが自分の服にまで水飛沫をあびながら、私の手を掴んだまま、ポツポツ話す。
「なにそれ知らない、誰ですか？」
「営業の嶌田」
「既婚者じゃん！高校生の息子いるのにキモ！」
「だから追い払ってたの！」
追い払ってくれてたのか。知らなかった。
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ああ(プロフ) - 面白かった…!明日早いのに最後まで読んでしまいました。ありがとうございます (2022年6月27日 2時) (
レス) @page49 id: 332a1fd98b (このIDを非表示/違反報告)
あきら(プロフ) - たまらなく幸せな気持ちになれました…よしの先生の書かれる大野さん大好きで何度も読み返してます。素敵なクリスマスのおそそわけありがとうございます。 (2021年12月25日 21時) (レス) id: 65b0e8ea2e (このIDを非表示/違反報告)
羊羽。（よう）(プロフ) - メリクリ〜☺クッソ面白かったよー。完結乙でした！ (2021年12月25日 17時) (レス) @page49 id: 07dccdc548 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこ(プロフ) - よしのさん、メリークリスマス🎄そして完結お疲れ様でした。不器用で大きな優しさの大野さんにキュンでした〜( ´艸｀)ありがとうございました！新作もおにぎりも楽しみに待っています。ご無理なさらずよしのさんのペースで！ (2021年12月24日 11時) (レス) @page49 id: 7572200b1c (このIDを非表示/違反報告)
nao(プロフ) - 大野君が課長たちに啖呵切ってくれたところ、カッコよかったですね。それと、おにぎりが恋しいです。 (2021年12月18日 5時) (レス) @page44 id: 3ab06130a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2021年10月29日 16時
