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あはは、と笑おうとして失敗した。思考停止。
大野さんが睨んでるみたいに私を見てる。
「……」
「……」
「じゃあ、あの公園にいたのはたまたま……ではなく」
「A探してた。電話しても繋がらない、会社にはちょっと行きづらい。最終手段、会社に電話しようと思ってたけど。その前に会えるかもってAの最寄り駅らへんウロウロしてみた」
「……」
「そしたらAがなんかペラペラの冊子みたいなの追っかけて走ってた」
「……あー」
「なのに目の前で……ノートみたいなの拾ってくれた人にぽーっとなって恋の始まる音楽流れてきそうだった」
「ラブソーかな」
「そう」
大野さん視点からみたら、キラキラの秋の海を背景に爽やかなイケメンが私に笑いかけて、私がぽーっと見とれてるのを見てたってわけか。
「あの、大野さんこれ見て」
「ん？」
昨日の『本ふなかひがね』をカバンから取り出して大野さんの前に出した。
「……なにこれ」
「昨日の本です」
「みていい？」
「どうぞ」
大野さんがペラペラと見て、何書いてんのかちょっとわかんないって言った。
「要約すると、願いがかなったその日から読む本。突然の幸福に戸惑わないために。みたいなことを書いてます
「宝くじ当たったときもらう本みたいなやつ？」
「そうなんですか？貰いました？」
「もらった、捨てた」
「えーーー！読みたかったーーー！」
「……で、この本が何」
すぐ脱線する。
慌てて戻す。
「で、この魔法陣に願いをかけて、立ち上がって空見上げて祈れば叶うんですって」
「へーやってみよ」
大野さんが魔法陣をじっと見た。
そして立ち上がって空見上げて祈って呟く。
「Aと両想いになれますように」
「あーー！ちょ！それもう叶ってる！3回のうちの一回を無駄にしてる！」
思わず叫んで、今3回がどうとか、そういう話をする時ではないと壮大に自分に突っ込む。違うそうじゃない。
「3回しか無理なの？」
「そうです、だから多分あと一回」
「あと一回」
大野さんがふーん、と、言ってから私をじとっと見た。
「俺のさっきの願いもう叶ってんの？」
「あのー……会いたかったです、って周りが引くほど泣く女はもう自分のものだと思ったほうがいいですよ……」
「ん」
大野さんが頷いた。
「……A」
「はい」
なんか急にドキドキしてきた！
両想いの男女が部屋でふたりきり。
つまり私、大野さんの彼女になれるの？
いきなり同棲？展開早すぎ！
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ああ(プロフ) - 面白かった…!明日早いのに最後まで読んでしまいました。ありがとうございます (2022年6月27日 2時) (
レス) @page49 id: 332a1fd98b (このIDを非表示/違反報告)
あきら(プロフ) - たまらなく幸せな気持ちになれました…よしの先生の書かれる大野さん大好きで何度も読み返してます。素敵なクリスマスのおそそわけありがとうございます。 (2021年12月25日 21時) (レス) id: 65b0e8ea2e (このIDを非表示/違反報告)
羊羽。（よう）(プロフ) - メリクリ〜☺クッソ面白かったよー。完結乙でした！ (2021年12月25日 17時) (レス) @page49 id: 07dccdc548 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこ(プロフ) - よしのさん、メリークリスマス🎄そして完結お疲れ様でした。不器用で大きな優しさの大野さんにキュンでした〜( ´艸｀)ありがとうございました！新作もおにぎりも楽しみに待っています。ご無理なさらずよしのさんのペースで！ (2021年12月24日 11時) (レス) @page49 id: 7572200b1c (このIDを非表示/違反報告)
nao(プロフ) - 大野君が課長たちに啖呵切ってくれたところ、カッコよかったですね。それと、おにぎりが恋しいです。 (2021年12月18日 5時) (レス) @page44 id: 3ab06130a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2021年10月29日 16時
