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……とは言ってもぐっすり眠れるわけなどない。
浅い眠りを繰り返して、明け方にはとうとう完全に目が覚めてしまった。
8時半には外に出る。
途中でコンビニに寄って、適当にあいつの食べそうなパンとかを買って家に帰る。
音を立てないようにそっと部屋に入ったら、部屋の中がほんのり暖かい。
入ってすぐ奥に見えるベッドに布団の端っこを抱きしめてすやすや眠るAの姿を見た。
「……A？」
「……」
「……ただいま……」
すやすやと気持ちよさそうに眠るAを見下ろして、ふふ、と笑ってる自分に気づいてハッとした。
デレた。
やべえ。
俺の部屋着を着て、俺のベッドで、安心したように眠るAを見て愛おしさがこみ上げる。
こんな無防備な寝顔晒すくらい信頼されてる。
もうそれだけでもいいかなって思ってしまうほどに大切な存在だと気づいてしまっている。
……しかしこいつ。
安心しすぎ。起きねぇ。
さっきからすげースマホ通知なってるのに全然起きない。
目覚ましかと思ってちらっと覗いたら、圭太からのメッセージっぽい。
もうすぐ9時半。よく寝るなコイツ。
珈琲でも飲もうかと用意していたら、Aがもぞもぞと動く気配がする。
振り返ったら目があった。
「あ、起きた？」
Aがビクッ！と飛び起きた。
「びっくりした」
「俺のほうがビックリだわ、ただいまって声かけたのに気付かずにすやすや寝やがって」
「……すっごく寝心地のいいベッドですね」
「こだわってますからね」
「このブランケットも肌触り抜群で……」
「ええ。そうでしょうそうでしょう」
「……おかえり」
「ただいま」
Aが俺のベッドから抜け出した姿を見て、一瞬デジャヴのような強い懐かしさに囚われた。
初めて見た景色なのに、何度も見てきたような。
「どうした？」
Aが不思議そうに聞く。
「いや、なんか。このシーン知ってる気がした」
「どういうこと？」
「夢で見たのかな」
「夢？」
「なんか突然思い出した」
「へぇ」
「お前が俺の服着て俺の短パン履いて俺のベッドから抜け出してくるの、髪はボサボサで」
「えっボサボサ？」
「大丈夫」
ふふ、と笑って、自分ちみたいに顔洗って戻ってきたAを見て何とも言えない幸せに似た気持ちに包まれた。
「一晩で自分ちくらい馴染んでやがる」
「おかげさまで」
「ところで。さっきからお前のスマホ、通知エグいことになってるからなんとかしろ」
Aがスマホに目を落とす。
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みい(プロフ) - 素敵なお話をありがとうございます。翔くん視点のお話も、とっても大好きです。他の作品も読ませていただいていますが、そちらも楽しみです！1ファンとして、応援しています。 (2021年8月23日 3時) (
レス) id: d3369a3b66 (このIDを非表示/違反報告)
すりおろし梨。(プロフ) - ありがとうございます。 凄く良かった。また 次回作 楽しみにしてます(^ ^) (2021年5月24日 9時) (レス) id: 2a65575bc9 (このIDを非表示/違反報告)
すりおろし梨。(プロフ) - 大野さんや にのが、やっとか。て思ったのホントその通り過ぎて。あの日すぐに指輪買いに行ったのも彼女は要らない急がないって言うてもホントは凄く嬉しいはずやし 翔くんもそんな彼女を見るの幸せやったやろなぁー て ニヤニヤして読み終わりました ありがとう。 (2021年5月24日 9時) (レス) id: 2a65575bc9 (このIDを非表示/違反報告)
すりおろし梨。(プロフ) - 彼女視点と翔くん視点。Iページづつ 同時に一気に読みました。あちこち2人の行き違いで泣きそうになり 後半切なすぎてもどかし過ぎて やっぱり切なすぎて鼻水垂らしながら読み切りました。何だこの2人 面倒いわ(>_<)やっとかよ(^_^) (2021年5月24日 9時) (レス) id: 2a65575bc9 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - 完結お疲れ様でした。と、櫻井君バージョンありがとうございます。すっごくスッキリしました。まだまだ作品を書いて頂けるようでとても楽しみです(*´∀｀) (2021年3月26日 0時) (レス) id: 96f199fab2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2021年3月2日 7時
