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イライラしながらスマホを見て、人のことをやいやい言える自分ではなかったことに気づく。
彼女にちゃんと謝らなきゃ。
そして、素直に気持ちを伝えよう。
『おはよう、昨日返事できなくてごめん』
ラインを送ったらすぐに既読になった。
通話の通知。気まずい思いで電話に出る。
「もしもし」
「おはよう、やっと連絡来た、生きてたの？」
希未のいつもと変わらない声に、ホッとしてそして絶望した。
もう、『心配した』とか思ってもないことを言う可愛い自分を演じる気もないんだな。
「生きてたよ、忙しいけどね。昨日は電車も止まって取引先から帰れなくなってさ」
「あぁ、そう」
興味ないんだな、そうだよな。
俺だってお前が昨日誰とどこで過ごしてても、もうどうでもいいんだから。
「確認するけど。別れるってことでいい？」
「うん。私、付き合いはじめの頃無理してたのよ。けど最近は翔が無理してたってことならもう無理かなって思う」
「……うん」
「結婚は対等でしょ？亭主関白とかモラハラじゃん？そんな男と結婚したくない」
「それはそうだと思う。けどどちらか一方が勝手にルールを決めて相手に従えって言うなら男女問わずモラハラだろ？」
希未が電話越しに苦笑したのがわかる。
「私がモラハラって言いたいの？」
「そうじゃない、モラハラの定義の話。相手をモラハラだと決めつける前に我が身を省みる必要があると思う」
「いつも思ってたけど！翔の言い方難しくて意味わかんないのよ、わかるように言って」
「つまり人にモラハラって言う前に自分はどうか考えろってこと」
「私がモラハラってこと？」
「だから違うって……モラハラって意味ちょっと調べて……」
ハァ、とため息が出た。
「意味分かんないからもういい」
「そっか」
「私ね、冷却期間中の合コンでさ、結婚を前提に付き合ってって告白されたの。歯医者さんだよ？イケメンで同い年」
「そいつとは話合うの？」
「合うよ！翔とは違ってね」
希未に気があるから合わせてんのかな。
そうだよな、俺も好きだから合わせてた。
ただ結婚するとなると、長い人生の間にいつかボロが出て、傷つけ合う。
「大事にできなくてごめん、お幸せに」
「うん。翔もね。まぁAとかいう女には振られちゃえと思うけど」
「は？」
「翔がその子の話するとき自慢気でうざくてその子大嫌いだった！翔のことももういらない！さようなら！」
電話を切られた。
「マジかよ……」
力が抜けた。
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みい(プロフ) - 素敵なお話をありがとうございます。翔くん視点のお話も、とっても大好きです。他の作品も読ませていただいていますが、そちらも楽しみです！1ファンとして、応援しています。 (2021年8月23日 3時) (
レス) id: d3369a3b66 (このIDを非表示/違反報告)
すりおろし梨。(プロフ) - ありがとうございます。 凄く良かった。また 次回作 楽しみにしてます(^ ^) (2021年5月24日 9時) (レス) id: 2a65575bc9 (このIDを非表示/違反報告)
すりおろし梨。(プロフ) - 大野さんや にのが、やっとか。て思ったのホントその通り過ぎて。あの日すぐに指輪買いに行ったのも彼女は要らない急がないって言うてもホントは凄く嬉しいはずやし 翔くんもそんな彼女を見るの幸せやったやろなぁー て ニヤニヤして読み終わりました ありがとう。 (2021年5月24日 9時) (レス) id: 2a65575bc9 (このIDを非表示/違反報告)
すりおろし梨。(プロフ) - 彼女視点と翔くん視点。Iページづつ 同時に一気に読みました。あちこち2人の行き違いで泣きそうになり 後半切なすぎてもどかし過ぎて やっぱり切なすぎて鼻水垂らしながら読み切りました。何だこの2人 面倒いわ(>_<)やっとかよ(^_^) (2021年5月24日 9時) (レス) id: 2a65575bc9 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - 完結お疲れ様でした。と、櫻井君バージョンありがとうございます。すっごくスッキリしました。まだまだ作品を書いて頂けるようでとても楽しみです(*´∀｀) (2021年3月26日 0時) (レス) id: 96f199fab2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2021年3月2日 7時
