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不思議そうにしてるAが、ちらっとベッドを見た俺をみあげて、察したようだった。
すげー我慢してます俺っていうのが伝わったんだろう。
だって俺。
Aに嫌われたくないもん。
腕力でどうにかしてやろうって行動に移さない俺偉い、誰か褒めて。
長い沈黙のあと、Aは小さい声で、でもきっぱりとした声で言った。
「櫻井くんは最低にならない」
「……え」
「櫻井くんはどんなときも最高だもん」
「……」
「最低な櫻井くんは、私にとっては最高だよ、きっと」
どうしよう。俺泣きそう。
最低な俺を最高だよって言うんだ。
なにその俺に対する絶対的な信頼感。
お前さぁ、俺のことすげー好きじゃん。
恋愛感情じゃないかもしれないけど、そんなもん凌駕する勢いで俺のこと好きじゃん。
意味分かんねーよ。
なんだよその感情。
その感情に名前をつけてよ。
友情？友情でキスするか？しねーよ。
友情で俺に抱かれてもいいって俺を受け入れようとするか？するわけねーよ。
それ友情じゃねーよ。
でも恋愛感情じゃないんだろ、きっと。
めちゃくちゃだ。
お前なんなんだよ。
俺をどうしたいんだよ。
ああ、そっか。そうだ。もしかして。
圭太がいなくなりそうな今、俺がいなくなるのが寂しいのかな。
そう考えれば全て納得が行く。
俺、という存在がいなくなることが怖いんだな、Aは。
だから、俺がいなくならないためにはある程度なんでもできるってくらい覚悟決めてるのかもしれない。
圭太を失ったように、俺を失うのが怖い？
そうだ、俺さっき言ったもんな。
そんな遠くない未来、俺らは必ず会わなくなるって。
Aは、寂しいんだ。
寂しくて寂しくて、俺をつなぎとめるためなら、俺の望むことを叶えたいと思うほど。
そして俺は知ってる。
Aは、俺が心からお願いって言ったことを拒めない。知ってる。
お前は俺を拒めない。
心の底では嫌だと思ってても、
俺を拒めない。
拒まない、絶対。
むくりと起き上がった暗い欲求に、絶望とよく似た形のヴェールが覆う。
「A、俺……」
掠れた声が出た。
俺の声を遮るようにAは笑って、私もう眠くなってきた、と言った。
「櫻井くん、どっちのベッドにする？私、こっちにしてもいい？壁ある方が安心する」
「……」
俺にまで無理してる姿見せなくていいよ。
なんでそんないつもいつも無理するんだよ。
「さむーい、もう寝る」
明るい声で、Aがシーツに包まった。
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あーり(プロフ) - 彼サイドとても嬉しいです。あの時の行動にそんな思いがあったのか！とドキドキしながら読ませていただいています。これからの更新も楽しみにしています！ (2021年3月6日 23時) (
レス) id: 55a75ee2ee (このIDを非表示/違反報告)
ささたく(プロフ) - 強く賢い女性、きっと彼も好きなのでしょう。でも。雑ではあるけど元カノの気持ちも理解できるかなあと。主人公の聡明さを重く感じる男性もいそうですよね。恋の道は難しい！次回も楽しみにしています！ (2021年2月28日 17時) (レス) id: 0cad052d81 (このIDを非表示/違反報告)
のり(プロフ) - おはようございます。やばい。と無理。しか言ってない(という印象ww)櫻井くん堪らない(泣)好き(泣)次の更新は違う意味でﾊﾗﾊﾗするの分かっていても楽しみにしてます！もう1回読んでこよう♪ (2021年2月26日 10時) (レス) id: 18c83a81d5 (このIDを非表示/違反報告)
コズ(プロフ) - 待ってました！待ってましたとも！しょっしょっしょうさーーーん！やべえ！なんだこれ！って心の呟きが全てリアルボイスで再現されててニマニマ読んでました！ヒロインちゃんが葛藤していた時に翔さん脳内はずっとやっべ！やっべ！ってお花畑だったんですね♪堪らん！ (2021年2月26日 9時) (レス) id: b75159ca86 (このIDを非表示/違反報告)
みっちゃん(プロフ) - 更新ありがとうございます！この時の翔くんはこんな気持ちだったんですね…！幸せそうな様子にこちらまで幸せな気持ちになりました。 (2021年2月26日 4時) (レス) id: fe478f12ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2021年2月18日 0時
