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そこからのAの酒のピッチの速さときたら。うわばみかってくらい。
飲みたりねぇとコンビニに俺を走らせやがった。ありえねぇ。
さっきのゴメンナサイって気持ちもあって、パシリに甘んじる俺。
気づいたらもう11時過ぎ。
Aが椅子の背もたれを抱きしめてグニャグニャになってる。背骨溶けてる。
「オ、フローニ、ハーィーラーナクッテワ」
などと謎の呪文。
「Aベロベロじゃん」
「だいじょうぶ、まかせなさい」
何を任せんだよ、あはは。
俺もちょっと酔ってる。
「まかせらんねーよー」
「まだいける」
「もう無理じゃね？」
「うるさいぞ」
「あーもー……珍しくない？こんなになるまで飲むなんてさぁ」
「さっきの櫻井くんがムカつくから飲んで忘れるの！」
「あ、やっぱ怒ってんじゃん」
なんだこいつ。可愛いな。
怒ってる、怒ってませんとかいう意味のない会話も悪くない。
「見つめ合った程度では……手を握った程度では……これしきのことで心が動くわけない」
目座ってるな。やべーな。
「そうかなぁ、俺はほんのちょっぴりドキドキしたのにー」
「えー！うそつくなー」
「ばれたかー」
「あ！うそだったのか！むかつくう」
「嘘じゃないほうがよかったの？」
「嘘じゃなかったら嘘ってことにしてもらう」
「ん？ん？……まぁいいや」
会話が成立しねえのやべーな。
さてと。酒飲まないと俺の色気、わからないとか言ってたけど今なら言えるか？
「で、俺に色気は……」
「しつこいぞー」
「そうだよ、俺はしつこいんだよ」
「櫻井くんの色気……」
「うん」
「櫻井くんの色気……」
「うん」
「櫻井くんの……色気……？」
そのまま椅子の背もたれに顎をのせて、スーと寝ようとした。
「こら寝るな」
頭をワシワシしたら目を開ける。
「櫻井くんの……」
「お前酔わなきゃそんな目で見れないって言ってただろー」
「言った」
「今酔ってるから聞いてみようかなと思って」
「聞きたいの？」
「聞きたい！」
さあ、教えろ。
俺に色気はあるのか。
っていうか、聞きたいのはそれじゃない。
俺を男として見れるかどうかだ。
見れるなら、ちょっとくらいは、意識し……てくれるわけないか。
「櫻井くんは……まずいよ」
「なにが？」
「やばいんだよー」
「なにが！」
「聞いて後悔しない？」
「しないしない」
「櫻井くんはー」
「うん」
「…………櫻井くんはねぇ」
「うん」
すー、すー……。
カクン、と船を漕いだ。
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あーり(プロフ) - 彼サイドとても嬉しいです。あの時の行動にそんな思いがあったのか！とドキドキしながら読ませていただいています。これからの更新も楽しみにしています！ (2021年3月6日 23時) (
レス) id: 55a75ee2ee (このIDを非表示/違反報告)
ささたく(プロフ) - 強く賢い女性、きっと彼も好きなのでしょう。でも。雑ではあるけど元カノの気持ちも理解できるかなあと。主人公の聡明さを重く感じる男性もいそうですよね。恋の道は難しい！次回も楽しみにしています！ (2021年2月28日 17時) (レス) id: 0cad052d81 (このIDを非表示/違反報告)
のり(プロフ) - おはようございます。やばい。と無理。しか言ってない(という印象ww)櫻井くん堪らない(泣)好き(泣)次の更新は違う意味でﾊﾗﾊﾗするの分かっていても楽しみにしてます！もう1回読んでこよう♪ (2021年2月26日 10時) (レス) id: 18c83a81d5 (このIDを非表示/違反報告)
コズ(プロフ) - 待ってました！待ってましたとも！しょっしょっしょうさーーーん！やべえ！なんだこれ！って心の呟きが全てリアルボイスで再現されててニマニマ読んでました！ヒロインちゃんが葛藤していた時に翔さん脳内はずっとやっべ！やっべ！ってお花畑だったんですね♪堪らん！ (2021年2月26日 9時) (レス) id: b75159ca86 (このIDを非表示/違反報告)
みっちゃん(プロフ) - 更新ありがとうございます！この時の翔くんはこんな気持ちだったんですね…！幸せそうな様子にこちらまで幸せな気持ちになりました。 (2021年2月26日 4時) (レス) id: fe478f12ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2021年2月18日 0時
