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月曜日。
私達はとても気まずい気持ちで出勤した。
こんだけ大騒ぎして今更どんな面下げて『付き合うことになった』って言えばいいんだ。
バレるまでとりあえず黙っておけばいいか、ってことになったけど。
朝出勤してすぐに、二宮くんが私の顔を見て、櫻井くんの顔を見て、また私の顔を見て、また櫻井くんの顔を見た。
「おはよう、何」
「Aさん、その指輪何」
「えっ、あっ、これは」
「彼氏出来たの？それとも頭のおかしい彼氏とより戻した？」
「……」
「それとも、翔さんがやたらご機嫌なのとなんか関係ある？」
櫻井くんがこっちを見た。
私と目があった。
あは、って世界一優しくてあまーい笑顔を見せた。ぐっ。今のはトキメキ食らった。
「……ははーん」
「……」
「大野さんに言おーっと」
「待ちなさい！何を言うの！」
「もう面倒くさいのに巻き込まれなくて済むよって話」
「えっ、めんどくさい？」
「めんどくさい」
「おはよ、なに？」
大野さんが来た。
「あのね、俺の勘なんだけど、Aさんと翔さんやっと付き合うことになったみたい」
「ふーん、あっそ」
へ！何その興味なさそうな態度！
「え、ふーん、なんですか？感想、ふーん、しかないんですか？」
ちょっと中腰になって聞き返す。
「ふーん、だよ。ふーんしか感想出てこないよ。これ5年前ならそっか、お似合いだねとか言うだろうけど」
「……」
「今まで何やってたのって感じ、みんな思ってるよきっと」
「そうなんですか……？」
「Aに言い寄る男も翔くんに本気で言い寄る女の子も社内にいなかったでしょ、いつ付き合うんだあの二人ってみんな思ってたよ」
「……」
「やっとだね、あー、面倒くさかった」
なんてこった。
申し訳ない気持ちでいっぱい。
私と櫻井くんが言い合いもせずに仲良く仕事して仲良く帰ろうとしてたら、アイちゃんはともかく、坂本課長とかも、『ああ、二人やっと付き合ったんだ』と言った。やっとって言った。
本人たちより先に皆の方が私達二人の関係に慣れるのは何なの。
櫻井くんが帰りの電車の中で、私の左手の指輪を見てくすぐったそうに笑った。
「みんな全っ然、驚かなかったな」
「ね……」
さて問う。
男女の友情は成立するか？
正解なんて多分ない。
けど。
形を変えての永遠は、
どこかにあるかもしれない。
「帰ろ」
「うん」
例えば。
この繋いだ手の中にあればいいな、
なんて願いながら
櫻井くんの右手をぎゅっと握りしめた。
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みい(プロフ) - よしのさんの書くお話、雰囲気というか、世界観というか、とにかく大好きです。どっぷりと感情移入しながら一気に読み切ってしまいました。続きもこれから読むのが楽しみです！ (2021年8月23日 1時) (
レス) id: d3369a3b66 (このIDを非表示/違反報告)
もここ*(プロフ) - 続きが気になって、イッキ読み。よしのさんのお話読めてしあわせ。よしのさんの描く女の子のようになりたいと、いつも思います。憧れです。続きも楽しみにしています( *´艸`) (2021年3月3日 1時) (レス) id: b403a3e65f (このIDを非表示/違反報告)
SUU(プロフ) - 無の証明大好きですが、新しいお話もめちゃくちゃ良かったです。最高でした！よしのさんのお話を読んでいると、指先まで甘く痺れてくるような不思議な感覚のせつなさが伝わってくるんですよね。わかりにくくてすみません。これからもずっとファンです。 (2021年2月13日 13時) (レス) id: 3781250d3f (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - 翔くんのお話が好きです！そして、ヤンデレだと興奮します。つまり、翔くんのヤンデレが見たいです。バッドエンドで！w (2021年2月12日 1時) (レス) id: 9047bc9b5d (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - はぁ〜面白かった(*´-`)もうね、くっつく事はわかってました。職場の皆様と同じです(*´∀｀)ただ、違うのは経過を知れると言う喜びですよね。現実には当人同士にしか知り得ない事なので楽しませて頂きました。よしのさん、本当にいつも作品を産んでくれてありがとう。 (2021年2月11日 0時) (レス) id: 96f199fab2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2021年2月2日 7時
