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「櫻井くん何なの？私のこと避けるのかなぁと思ったら避けるわけでもないし」
「そりゃそうでしょ、なんで俺がAを避けるんだよ」
「かと思ったら他の男をプレゼンするし」
「……それは」
「しかも全部身近なところで」
「当たり前だろ……」
櫻井くんががっくり項垂れておしぼりをいじいじしてる。
「当たり前、って意味分かんない」
「じゃあ俺の友達紹介するから会う？」
まだ下向いたままだ。
「いやいやだから！なんで私が櫻井くんのお友達とお付き合いしなきゃいけないわけ？」
「俺の友達、いいやついっぱいいるよ」
「……うん、だけど櫻井くんに関係ない」
櫻井くんが私の目をじっと見た。
ちょっと悲しそうな、真剣な目で気圧される。
ふざけてるかと思いきや実は大真面目に私に友達を斡旋してたんだ、ってことがわかって酷く困惑した。
「……じゃあせめて、俺と仲良くできる奴選んで？友達になれるように努力するから」
「……」
「今度は圭太みたいなお前を泣かせる男だけは選ばないって約束して？」
「……え？」
「だって俺、お前を泣かせる男とは友達になれない、絶対に」
困惑。
どういうことなの。
もしかして。
ねぇもしかして。
「櫻井くん、もしかして」
「ん？」
「私とずっと友達で居られる方法、探してくれようとしてる……？」
櫻井くんの眉が困ったようにハの字に下がる。
「こないだ約束したでしょ」
「……？」
「こないだ約束したの忘れちゃった？」
「約束？」
「Aが寂しくないようにずっと一緒にいるよって言ったよね俺」
ザザア、と。
目の前にスノーノイズが。
櫻井くんの言葉と共に、そのシーンが蘇る。
外は雪で、窓硝子は汗をかいた。
柔らかいオレンジ色の光と、櫻井くんの影が天井に揺れる。
冷たくて白いシーツと、櫻井くんの髪と肩と。
今、おしぼりをいじいじしてるその手が。
私の頬を包み込んで。
今、俯いて悲しそうに揺れてるその目が。
こぼれ落ちそうなくらいキラキラしていて。
見たことないくらい優しく私を見下ろした。
大丈夫、って言った。
そばにいるって言った。
『寂しくないようにずっと一緒にいるから』
『だから、もう泣くな』
耳元で囁いた声は、ついさっきのことのように思い出せる。
胸の中の熱い塊が喉の方で爆発しそうになって、ぐっと息を止めたら涙がポタポタって落ちた。
「ああいうときの言葉って……全部嘘だと思ってた……」
「バカ……」
櫻井くんが頭を抱えてそう言った。
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みい(プロフ) - よしのさんの書くお話、雰囲気というか、世界観というか、とにかく大好きです。どっぷりと感情移入しながら一気に読み切ってしまいました。続きもこれから読むのが楽しみです！ (2021年8月23日 1時) (
レス) id: d3369a3b66 (このIDを非表示/違反報告)
もここ*(プロフ) - 続きが気になって、イッキ読み。よしのさんのお話読めてしあわせ。よしのさんの描く女の子のようになりたいと、いつも思います。憧れです。続きも楽しみにしています( *´艸`) (2021年3月3日 1時) (レス) id: b403a3e65f (このIDを非表示/違反報告)
SUU(プロフ) - 無の証明大好きですが、新しいお話もめちゃくちゃ良かったです。最高でした！よしのさんのお話を読んでいると、指先まで甘く痺れてくるような不思議な感覚のせつなさが伝わってくるんですよね。わかりにくくてすみません。これからもずっとファンです。 (2021年2月13日 13時) (レス) id: 3781250d3f (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - 翔くんのお話が好きです！そして、ヤンデレだと興奮します。つまり、翔くんのヤンデレが見たいです。バッドエンドで！w (2021年2月12日 1時) (レス) id: 9047bc9b5d (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - はぁ〜面白かった(*´-`)もうね、くっつく事はわかってました。職場の皆様と同じです(*´∀｀)ただ、違うのは経過を知れると言う喜びですよね。現実には当人同士にしか知り得ない事なので楽しませて頂きました。よしのさん、本当にいつも作品を産んでくれてありがとう。 (2021年2月11日 0時) (レス) id: 96f199fab2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2021年2月2日 7時
