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全員で思わず顔を見合わせる。
「その、子供のときもそういう噂を聞いた？」
「はい、僕が7歳のとき」
「重機が壊れるときも7歳のときだったね？」
櫻井さんがミラーくんに聞く。
「はい、いつもそういうの重なります、工事が始まろうとする、鎌の男が現れる、重機が壊れたり旧館の取り壊しができなくなる、そのドタバタの影に隠れて人がいなくなってる」
「……」
「あれでしょ？一番最初の鎌の男のとき、小さい男の子と患者さんが一人がいなくなったんですよね？おばあちゃんに聞いたんですけど」
ミラーくんがそう言った。
男の子はマサトシくんだけど患者さんも一人いなくなった？
「僕が7歳くらいのとき、また鎌の男が出たって聞いて、おばあちゃんがその話をしてました。行方不明者がでた、とか」
ミラーくんが一生懸命思い出しながら言う。
「7つのときの行方不明者はどんな人か覚えている？」
櫻井さんが優しく問いかけた。
「ああ、あれは行方不明だっただけで結局見つかったんでしたね！ご遺体で見つかったんです、自宅で首を括った？とかで」
なんでそんなことを院長は黙ってるんだ、と思ったけど、失踪事件と一人の男が家で自ら死を選んだ、というだけで鎌の男と結びつけて考えることもないか、と思い至る。
「鎌の男……って何なんだ？何かの象徴……？」
「鎌の男の霊と会っちゃった人は消えるとか怪我しちゃうとかですか？」
ミラーくんがそう言った。
櫻井さんが腕を組んで考え込む。
……それじゃあまるで鎌男は死神じゃないか。
そういや死神は鎌を持っていたな。
「あ、すみません、……毎日退屈で首突っ込んですみません、そんな立場じゃないのに……」
櫻井さんが黙り込んだことに気づいたミラーくんがちょっと慌ててそう言った。
空気の読める子だ。
ちょっと気に入った。
「お前悠長にそんなこと言ってる場合か？お前も今日鎌の男見たんだろ？」
櫻井さんが忌々しそうにそう言う。
「……」
ミラーくんが、このお姉さん何も言ってないのにこの目の前の人どうしたんだろうって思ってる。
……そういや、僕この人の名前知らないや。
刑事さんかな？公安？
櫻井さんがぱっと目を上げる。
「あ、ごめん、自己紹介まだだったね、警視庁捜査一課特殊係、捜査零課の櫻井です」
櫻井さんが名刺を渡した。
「もらっていいの？」
「悪いことに使わないでね」
「宝物にする！」
ミラーくんが目をキラキラさせた。
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にのきょん(プロフ) - 終わるのが悲しすぎるくらいにこのお話大好きです。10回以上は読んでるので最近櫻井くん達と一緒に謎解きしちゃってます笑笑 (2020年3月3日 14時) (
レス) id: 2efb088670 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - よしのさんのお話はドラマ化して欲しい…頭ン中では勝手にドラマ化してますけど実写で見たいです。 (2020年3月3日 7時) (レス) id: aab6d8833f (このIDを非表示/違反報告)
まどか(プロフ) - 待ってましたぁぁ！！主人公と櫻井さんの、このもどかしい関係がたまらず夜も眠れません。徐々に核心に迫っていくストーリーにもワクワクが止まりません。最高です大好きです！！次の更新も楽しみに待っております…！！ (2020年3月3日 4時) (レス) id: 5cdf0b4209 (このIDを非表示/違反報告)
みみ(プロフ) - 結末が気になりすぎちゃうので、よしのさんのお話は完結してから読むようにしています。読むのとても楽しみです(^^)無理せずに更新してくださいね！ (2020年3月2日 21時) (レス) id: df1a3da33b (このIDを非表示/違反報告)
リノ(プロフ) - ドキドキしましたァー！更新嬉しいです！ありがとうございます！これからも無理せず、けれども遅くなりすぎずにお願いします！ (2020年3月2日 17時) (レス) id: d31a60eebe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2019年11月6日 8時
