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結局相葉さんは二時半くらいまで起きてて、松本さんと過去の事件の話なんかをしながら時間を過ごした。
相葉さんが寝に行ったあとも、そのまま過去のヘンテコな事件の話を聞いて何事もなく楽しく過ごす。
もうすぐ三時になる、ってときに松本さんがポツリとつぶやいた。
「A、霊見れるんだな」
「……」
マサトシくんと鎌男の話かな。
複雑な心境で頷く。
「いつから見えてた？」
「零課に来てから……色々知らなかった感覚が広がった気がする」
「ああ、自分の力を制限するのは自分だもんな。そんなわけない、とかあり得ないと思うとその力はそこまで」
「……」
「ここに来て、Aが自分の力を隠さなくてよくなったから解放されたのかな」
「そうかも」
松本さんが何度か頷く。
「Aも見えるのか……それは……ちょっと嬉しい……」
「あ、でも櫻井さんが、私はエンパスなのかって言ってたよ」
松本さんが不思議そうにした。
「思考を読み取るのがテレパスだとしたら、エンパスは感情を読み取る？」
「んー……」
松本さんがわからない、みたいな顔をした。
「私は相手の感情と同調するんじゃないの？って言われた……」
「同調……」
「だからいちいち乗っ取られるんだって櫻井さん怒ってた」
んふふ、と松本さんが柔らかく笑う。
「しかもね、アンナさんの声櫻井さんはドイツ語で聞こえたんだって！私のと構造が違う！」
「ああ！Aってドイツ語わかる？」
「無理だよ！」
「あはは」
松本さんが可笑しそうに笑う。
「だから見えたのかなぁ、私、マサトシくんと同調しちゃったのかな」
松本さんが眉間にシワをフッと寄せる。
「それは……まずい」
「どうして？」
「Aはアンナと同調したってことだよな？」
「う、ん？」
「死ぬ瞬間の記憶も見えた？」
「うん、少し。アンナさん悲しいという気持ちが強くて恐怖は感じなかった」
「……」
「そっか、マサトシくんと同調すれば亡くなった理由がわ……」
「だから！」
松本さんが私の肩をぐっと掴む。
「え……」
「言っただろ、同情は禁忌なんだって」
「どうして？」
「霊が一番欲しいものは何だと思う？」
「……何？」
「イレモノ」
松本さんが私の肩を掴んだまま私の目を射るように見る。
「え、つまり」
「体。Aの体が欲しいんだよ」
物音がして松本さんと同時に振り返る。
「あ」
「邪魔してごめ……」
櫻井さんがオロオロしてそう言った。
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にのきょん(プロフ) - 終わるのが悲しすぎるくらいにこのお話大好きです。10回以上は読んでるので最近櫻井くん達と一緒に謎解きしちゃってます笑笑 (2020年3月3日 14時) (
レス) id: 2efb088670 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - よしのさんのお話はドラマ化して欲しい…頭ン中では勝手にドラマ化してますけど実写で見たいです。 (2020年3月3日 7時) (レス) id: aab6d8833f (このIDを非表示/違反報告)
まどか(プロフ) - 待ってましたぁぁ！！主人公と櫻井さんの、このもどかしい関係がたまらず夜も眠れません。徐々に核心に迫っていくストーリーにもワクワクが止まりません。最高です大好きです！！次の更新も楽しみに待っております…！！ (2020年3月3日 4時) (レス) id: 5cdf0b4209 (このIDを非表示/違反報告)
みみ(プロフ) - 結末が気になりすぎちゃうので、よしのさんのお話は完結してから読むようにしています。読むのとても楽しみです(^^)無理せずに更新してくださいね！ (2020年3月2日 21時) (レス) id: df1a3da33b (このIDを非表示/違反報告)
リノ(プロフ) - ドキドキしましたァー！更新嬉しいです！ありがとうございます！これからも無理せず、けれども遅くなりすぎずにお願いします！ (2020年3月2日 17時) (レス) id: d31a60eebe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2019年11月6日 8時
