王子のオーラ(01/11) ページ25
石田くんがしばらくして帰ってきて私の元に来た。
「麻倉さんに色々教えてもらえって言われた」
なぜ私。係長を見たら、よろしくね、って感じでサムズアップしてくる。
「……じゃあ、まず最初に覚えてほしいのは……」
一日の流れを説明していたら、横に座っていたチーフの中西さんが、へぇー、と感心したように言ってきた。
「え。なんですか？」
「麻倉ちゃん、教えるの上手いね」
イケメンに褒められた。
でも中西さん多分年下。
「ありがとうございます。中西さんに褒められて元気出てきた！」
なんて可愛く言ってみる。
「可愛いこと言っちゃって」
微笑まれた。
「中西クーン」
「はい、どうしましたか課長」
中西さんが立ち上がったのを見送った石田くんが私を見て、感心したようにため息を吐く。
「すごい溶け込んでる」
「うん、頑張りましたからね」
「そうなんだ。ということはもうラボに入るパスワードとかも教えてもらった？」
「うん、急ぎで確認することもあるし……」
「へえ、派遣なのに凄いな」
「石田くんも頑張ってね。でもまず石田くんは先にこっちのデータのシステムの管理からしてもらおうかな」
ふと。なんとなく視線を感じて目を上げる。
開発部の廊下側の壁は、全面ガラスになっていて、廊下を歩く人の姿が丸見えだ。
でも奥のラボは逆に周りから見えないように二重扉になってて、IDとパスワードとがないと開かない。
その二重扉の前で櫻井さんがいた。
櫻井さんの視線だったのかな？
視線を感じるとか櫻井さんのオーラどうなってるんだ。
ラボの中から開発部の人が出てきて、櫻井さんから何かを受け取ってる。
急ぎの荷物かな？
と思っていたら櫻井さんが用事が終わったみたいで、いえいえ大丈夫です、って感じでニコニコしてる。
「麻倉さん？」
石田くんが馴れ馴れしくぼんやりしてた私の頬をぷに、と押してきた。
「わ！ぼーっとしてごめん！」
しまった。
櫻井さんのきれいな横顔に見惚れてた。
「ここまでできたよ」
「じゃあ次はＦ５押したらまた最初のページに戻るから入力を……」
「これさ、F５じゃなくエンターで更新に変えてもいい？」
「できるの？」
「うん、やってみる」
もう一度目を上げたら櫻井さんと目があった。
こっち見てた？
櫻井さんが複雑な表情で私を見て、エレベーターに乗り込んだ。
物言いたげに絡み合う視線。
まるで相手の本意がわからない状態でどっちも片想いしてるみたいでやんなっちゃう。
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susakinyanko(プロフ) - 駅前のハトがツボ過ぎます。死ぬかと思った笑 (12月15日 15時) (
レス) @page41 id: 9ec95cf02d (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 面白い！眠気がとんだよー！よしのさん好き(^^) (2020年1月30日 10時) (レス) id: 12e1cc5b48 (このIDを非表示/違反報告)
花乃(プロフ) - こんにちは。やっぱりよしのさんのお話好きだー！！と叫ばせていただきます(*´∇｀*) (2020年1月26日 17時) (レス) id: 95a7b7882e (このIDを非表示/違反報告)
ちこ(プロフ) - こんにちは。よしのさんの新作ですね。ゴルゴの回まで一気読みしてしまいました。とっても楽しいです！更新楽しみにしています。 (2020年1月16日 16時) (レス) id: c3adc4cd0a (このIDを非表示/違反報告)
ジュン(プロフ) - もう、さすがの一言です。やっぱり面白すぎます！最高です！ (2020年1月16日 1時) (レス) id: 586c2240fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2020年1月6日 0時
