や ページ4
就職して、二宮くんに関しては木下になんとなく似ているってせいで、二宮くんにはまったく罪はないがどうしても嫌悪感が拭い去れない。
櫻井くんだって、きっとイケメンって理由で人生謳歌してきたんだろうという思い込みは消えそうもないし、相葉くんなんて、大川くんを思い出す始末。
これみて！って笑いながら、屈託なくセミの抜け殻を見せてきそうな感じ。
同期のイケメン軍団を見て、先輩の女子社員の人が、可愛いは正義ーとか言ってて、めちゃくちゃイケメンに成長していた木下と大川を思い出してげんなりした。
あいつら、中３の時、すっごいモテてた。どこがいいんだ。
木下は何故か彼女作らなかったけど、大川なんてべらぼうにモテてた。
性格は顔に反映しないんだな。とか思ってたけど。
……まさか……私を好きだなんて……死ねばいいのに……！
テレビでイケメンを見ても、この人達はイケメンという理由だけで優遇されてきたんだろう、とか、性格わるいかも、とか、イケメンがどれほどのもんよ、とかつい敵意が生まれる始末。
長い年月をかけて、ガッチガチのバッキバキのイケメン嫌いになった。
かといって、見た目に不自由してる人を好きなのかと言えばそういうわけでもなく。
まあ、いうなれば、男が嫌いなんだろう。
そのせいで彼氏いない歴イコール年齢だけど、別に焦っているわけでもない。
高校の時、母親の呪縛からも逃れることに成功して、フリフリも卒業して、ピアノもやめた。
バレエは思うように軸足が伸びなくてプロダンサーになるほど上手くなれず、趣味程度につづけたけど、就職を機にすっきりやめた。
たまに発表会にお手伝いに行くくらい。
私は営業部に所属されて、企画部の櫻井くんと二宮くんと相葉くんと村上くんとは離れられた。
けど、営業には横山くんと風間くんと生田くんがいて、２年目の頃には相葉くんも営業部に異動してきた。
でも仕事で関わることもあまりなく、優しい女の先輩に助けられて楽しく仕事をしていたけれど。
とうとう、この日が来た。
「Aちゃん、って呼んでいいよね？」
「……はあ……」
ニコニコで私の顔を覗き込むのは、一部で天使ではないか？と言われている相葉くん。
「俺のこと嫌い？」
ぐ。
イケメンが嫌いなんてちょっと言えない。
「そんなことないよ」
「俺さあ、チーフ初仕事だからAちゃんのことすっごい頼りにしちゃってんだよね！」
きっらきら。
まぶしくてめっちゃ怖い。
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2017年6月17日 4時
