その恋は秘密[NKBD企画]お知らせ更新 (ページ27)

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歳ページ27

二宮くんのお家は、小さな1LDKだった。
リビングが広め。
もういっこの部屋は寝室と押入れ。ハンガーがあって、無造作にスーツがかかってる。
その上にぽんとネクタイとか、かけてる。

テレビの横にはすごい量のDVDとかゲームとか並んでて、沢山の本も。

「本棚ほしいって言ってたよね」
二宮くんがTシャツを着替えて顔を洗ってリビングに戻ってきた。
「うん、とうとう溢れちゃった」
「すごい量」
「でしょ」
二宮くんが、ふー、とソファに沈みこむ。
ごろん、となった。
くつろぎすぎ！

目瞑っちゃった！
「雑炊できたら起こしてね」

がーん。
なにこれ。
まぁ、いっか。
怯えて馬鹿みたい。

お鍋を出してきて、材料を切ったりしてるうちに、少しずつ冷静になっていく。

そもそもどうして私は二宮くんの好きな人が男性だと思い込んだんだろう。
……そっか、私が男性嫌いで、二宮くんがじゃあ女が好きなの？って聞かれて、馬鹿にしてる？って聞いたんだった。
そしたら、馬鹿にするわけないって。だって俺今気になる人がいるって言った。

『人を好きになるのにその人の年齢も性別も相手の好みも関係ないでしょ？違う？』

二宮くんがそう言ったから、勘違いしてた。
じゃあ気になる人って誰？芹香さんかなぁ？
ファンクラブ3番って言ってた。

……ちょっと待って？
待って？
ずっと心は男のままだった？

と、言うことは。

新入社員で初めてあった時、俺にだけ態度が違った奴って誰。明るくて天然ですぐに騙されそうな奴って誰。

それに、ご飯行った時、いっぱいくっついたよ！オデコこっつんことかしたよ！
ほっぺプニプニされた！
電車の中で抱っこされた！手繋いで帰った！

何やってんだ私!!!!

ついに、しゃがみこんで落ち込む。
や、でもそれは二宮くんのあの独特の人懐っこいワンコみたいな……寂しそうにも見える可愛さの魔法にかかって……！

ダメだ。
ダメだよ。

わたし。

雑炊ができて、火を止める。
出来たよって起こそうとして、ソファで眠ってる二宮くんを見下ろす。よく眠ってる。
ちょっと迷って寝室にあったタオルケットを持って、二宮くんの肩にそっとかけた。

ん、と微かな声を出して、きゅ、と口角を上げて唇をとがらせた。可愛い。

木下に似てるのに？
突然、昔のトラウマが胸にぞわあって蘇ってきた。だめだ。

吐き気と寒気が同時に来た。
二宮くんは、オトコだった。
大嫌いなはずの。

涙がポタポタって、落ちた。