す ページ23
仕事全然集中できなかった。
明日は二宮くんと、遊びに行くんだ、けど。
仕事が終わって帰ろうとしたら、ラインが来た。二宮くんだ！
慌てて開く。
『今日は遅くなりそうだから先帰っててね』
そっか。
残念。
はぁー、とため息が出た。
一緒に帰れる気がしてた。
『はーい、お仕事かな？頑張って！』
ラインを送ったら、すぐに返事が来た。
『今日は同期の野郎たちとご飯。
櫻井相葉風間と4人で行ってきます』
相葉くんもいるのね！
『そっか！頑張ってね』
しばらく返事が来なくて帰ろうと立ち上がったら、二宮くんが営業部について顔を出した。
「はぁ、は……A」
「あ！」
「……けほ、……顔見に来た」
私の顔を見て二宮くんがふふ、と笑う。
「おつかれさま」
「うん、おつかれ……」
なにか言うのかな？って待ってたら二宮くんは何にも言わずに私をじーっと見てるだけ。
「……」
「……」
綺麗な目だなぁ。首かしげて可愛い。
「……またラインする」
「あ、明日のこと？」
「え、いいの？」
「うん、連絡してね」
「じゃあ今日は早く帰るよ」
「うん、早く帰ってね、待ってる」
「え、何？帰るの待ってる？え？」
櫻井くんが後ろから二宮くんを追いかけてきて、途中から聞いてたみたいだ。
「……ん？」
「え！二人そういう関係だったの？うっそ」
「……えっと」
たじたじ。ちょっと怖い。
一歩後ずさる。
相葉くんも近づいてきた。
どうしよ、どこに逃げればいい？
あわてて二宮くんに寄り添う。
二宮くんがそれを見て、庇うように私の前に立った。
「……んもー翔ちゃんやめてよ、まだそんなんじゃないよ」
「まだ、ってことは！」
「翔ちゃん！」
「ん？」
「やめて、ほんとやめて」
二宮くんが怖い声を出した。
……もしかして、相葉くんが、聞いてるから？
「Aちゃん……」
相葉くんが私を見下ろした。
「ニノのこと、苦手なんじゃなかったっけ？」
「もう平気」
相葉くんが二宮くんを見た。
「ニノ、Aちゃんにどんな魔法使ったの？」
「……」
「俺、4年かけてもまだ無理なのにさぁ、なんでニノは一日でAちゃん攻略できたわけ？」
「……相葉さん、あのね」
二宮くんが遮って、相葉くんの腕を掴んで私に背を向けた。
「二宮くん……」
「A、また電話する！」
二宮くんが、そう言った。
「ね、ニノが今日ずっとご機嫌だった理由は渡瀬さん？」
櫻井くんが大きな目で私をじーっと見た。
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2017年6月17日 4時
