24 ページ24
ああ嫌だ。3時くらいまで眠れなかった。
なのに目が覚めたのは6時。
二宮くんのせいだ。
重い身体を起こして、最初に頭に浮かんだのは涼ちゃんのことだったけど、その一瞬後に二宮くんの顔が浮かんでどうしようって。
どんな顔で会えばいいの。
……涼ちゃんの浮気にムカついてる場合じゃないよね、どう考えても私達も浮気。
いや、まって？キスは浮気じゃなかったっけ？
とりあえずキリキリ痛む胃を押さえて、ミルクたっぷりのコーヒーを飲んで目を覚ます。
とりあえず仕事！
仕事……。
二宮くんが私をぎゅーっと抱きしめたこととか、寂しいもの同士慰めあっちゃう？って言ったこととか突然頭に浮かんで慌てて消した。
いつもより早く会社についたら、昨日徹夜だったのかな、増田くんがぼーっとした目で私を見て『……ぅーーす』と言った。
「わ！眠そう」
「いつもこんな顔でーす」
「違うよー」
「あはー」
大きなあくびをしてだらーんとなってる。
可愛い。マスコット的存在。
「あ、おはようございます」
後ろから加藤くんが声をかけてきた。
「おはよう」
「南さんもコーヒー飲まれます？俺今増田の分も淹れに行くとこです」
「お願いしよっかな」
「課長と二宮さんの分も用意しとこう、他の人は今日は直行直帰みたいですし」
ニコッ！キラッ！と笑ったけど、いつもなら、う！イケメン！ってなるとこなのに
二宮さんってワードに、胃がまた痛い。
「おはよー」
課長が来た。
二宮くん遅い。
始業時間ギリギリに、やっと二宮くんが入って来て、つまんなそうにデスクに座る。
「コーヒー飲みます？」
課長の分を淹れた加藤くんが二宮くんに声かけてる。
「うん。百倍くらい濃いやつお願い」
「普通の美味しいので我慢して下さい」
ドキドキドキドキ。
盗み見。
二宮くんがこっち見そうになって慌てて目をそらす。
「Aおはよ」
「……おはよう」
わ。私冷たい態度とっちゃってる。
二宮くんがため息を吐いた。
「おまじない効いた？」
「馬鹿……」
ああ、私の態度絶対良くない。
けど、
馬鹿、効き過ぎて眠れなかったよ！
罰として今日もご飯付き合ってよ。
なんて言えない。
可愛く、ありがと、なんてほほ染めることもできない！
可愛げ、優奈ちゃんに少し分けてもらいたい。
嫌なこと思い出した！
……優奈ちゃんなんて爆発しろ！
涼ちゃん諸共成層圏外まで投げ飛ばしてやりたい。
なんて。ああ、情緒不安定。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4412人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2017年3月31日 8時
