いつも君を見てる２[A]完結 (ページ26)

今日:18 hit、昨日:14 hit、合計:1,038,345 hit

66(2017/01/06) ページ26

警察が来て、傷の手当をしてから事情聴取。
その間もずっと雅紀くんがついててくれて、安心感でべったりくっついてるような状態だった。

警察に、犯人に心当たりがあると言ったら、それも詳しく聞かれて、警察が帰ったのは12時くらい。３時間も話を聞かれてた。

「おなかすいた？」
「ちょっとだけ」

雅紀くんの家でお鍋を少しだけ食べて、雅紀くんの腕の中で眠った。
悪夢を見てびくっと体が跳ねたら、雅紀くんが大丈夫、って何回も何回も言ってくれた。

明日、仕事帰り、私の帰りを見計らって、刑事さんもついてくれる、とのことで、ほんとは休みたかったけど、行くことにした。
証拠がないし、現行犯じゃないと捕まえられないからって。

出勤するときは、雅紀くんがついててくれたから安心だ。
職場について、沢村さんと二宮さんと菅田くんに事情を説明する。

「じゃあ、710号さんはストーカーじゃなかったの？」
「うん、でも、まだちゃんと、疑惑は晴らせてないから……」
「……そっか、とりあえず、犯人を捕まえるのが先だね」
二宮さんが、ちょっと納得いかない、って顔をしてたけど、そういった。

「やっぱりあの警備員が？」
菅田くんが聞いた。
「わかんない、多分」
「今日いなかったよね」

……そう、朝、いなかった。
手を見てやろうと思ってたのに。
前私の顔を見て、山本くんの、とか言いかけてた60歳くらいのおじさんが立ってた。

なんとか一日仕事を終え、８時半になる。
そろそろ刑事さんと約束した時間だ。

「今から出ます」
連絡して、下におりる。
今日休みだったのに、くるかしら。
わかんない。

けど、今日あてが外れてもしばらく付き添って様子を見てくれる、ってことだった。
二宮さんも半分以上好奇心で一緒に帰りたがってたけど、一人で帰ってください、ちゃんと守りますから、と刑事さんに言われたから、断った。

会社を出て、歩き出す。
なるべく、振り返らないでください、普段通りに、とも言われてる。

ちゃんとついて来てくれてるのかな。
不安がってたら雅紀くんからラインがきた。

『俺も後ろから見張ってるから大丈夫』

ホッとした。
普段通りなんとか駅までたどりつく。

駅に乗り込んだ時、一瞬、山本、って警備員さんらしき人を見た気がした。
けど人の波に押しやられて、見逃した。

やだよ、こわいよ。

最寄り駅までついて、昨日襲われた、暗い道に着いた。
……ほんとに後ろにいてくれてるんだろうか。