いつも君を見てる２[A]完結 (ページ20)

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「……え？」

突然の二宮さんの発言に頭を鈍器で殴られたような衝撃。
何から何までタイミングが。

けど何だよもっと早く言えばよかった、なんてことは思わない理由はひとつ。
私にはもう二宮さんより依存しちゃってる人ができたからだ。

だって私、昨日、雅紀くんに。

二宮さんだったらこんなに愛された、って感覚は絶対なかったはず。
だってこんな雑な扱いなんだもん！

「今度はコーヒー、あったかいの」
ほら。

「で？付き合うことになったきっかけは？」
戻ってきたら、また面倒くさそうに私に聞いてきた。

「昨日帰り、またつけられて……今度はほんとに危ないって感じの追いかけられ方で」
「うん」
「コンビニに飛び込んで……」
「あ、なるほどね、それで、智が俺に連絡してきたんだ」
「え？」
「朝人がいないからって1時半くらい迄シフト入ってて。このあと来るよ、待ってて」
「……大野くん？」
「うん。で？付き合うようになったきっかけは？」
「はい、その帰り、ポスト覗いたら、写真とか手紙が入ってて……」
「なんの写真？」
「二宮さんと歩いてるとことか、コンビニで話してるとことかの隠し撮り……」
「710号と歩いてる写真は？」
「わかりません、すぐ捨てたから」
「捨てた？お前が？」
「雅紀くんが」
「それ証拠じゃん、指紋とかもあったかもしれないのに捨てた？何？証拠隠滅？」
「……」
「で怯えてるお前を抱きしめて彼女になれ、守ってやる、ってことになったのね」

ああ、いやだ。
この流れは。
間違いなく。

……犯人は、雅紀くん？

「告白されて……」
「なんて？」
「そんなことも言わなきゃなんですか？」
「聞いてあげる、って言ってんのに。弱ってるお前見ておいしそうだなと思いました！食わせろ、とか？」
「違います！初めて見た時から話してみたいって思って、みたいなことを言われて」
「初めて会った時って引っ越しのご挨拶の時でしょ？」
「……はい」
「話してるじゃん」
「……」
「その言い方じゃ、お前を初めて見たのは引っ越しのご挨拶の時じゃないよね」

二宮さんが私を馬鹿にしたみたいに見た。

「あ」
その時、大野くんがキョロキョロしながらファミレスに入って来た。

「あ、ニノとプリンさん」
「お疲れ」
二宮さんが言ったら、フフ、って笑いながら二宮さんの横にちょこんと座る。

「Aさん、あのイケメンのストーカーと付き合うことにしたの？」

大野くんが唐突にそう言った。