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「なんでコンビニの店員まで家知られてんの？って怒られました」
「まぁそうだよね、そりゃストーカーにも遭うわ！って怒りね」
「はい、で、何だっけ……そんなんだから、付け回されたりおやすみのメールがくるんだ、って怒られて……」
二宮さんが、ふっ、と目を上げた。
「おやすみのメール？」
「……おかえり、のことは言ったけど、どうしておやすみメールが来たこと知ってるんだろう」
「……つまりお前におやすみメールがきたことを、知っていたということね……」
「……どうしてだろう？」
「なぁ、710号と一緒に帰ってる時に付け回されたりしたことあった？」
「……ありません」
「ふむ……」
二宮さんが頬杖をついて考えるポーズをした。
「雅紀くんは私に怖いことが起こったらいつもそばにかけつけてくれて、膝とかガクガクしてる私を抱きしめてくれて……」
「……吊り橋効果かな？」
「え？」
「それで？」
「でも急だし、好意を受け入れられなくて」
「うん」
「その後です、二宮さんが、私の後ろを見て、怪しい人がいないかチェックしてくれたんです」
「愛想良すぎで容疑者絞れないの件ね」
「……はい」
「菅田そういや、お前がイケメンにつけられてたとか言ってたな……しかも2ヶ月前とか、引っ越してくる前じゃないの？」
「……うん」
「……俺も一緒に怪しい人影見たよね」
「はい、で、その後私が二宮さんに告白しようとして遮られた、と」
「ばかだねぇ、俺に対しては恋愛じゃなくて完全に依存でしょ、そんな彼女めんどくせーわ」
ひどい。
でもそうかも。
「そうですよねぇ、便利に使おうと思ってるように取られても仕方ありませんよね」
「俺を便利に使ってね！って思うほどお前に対しての愛情ねーもん」
ひどい言われよう。
「……そういえば、例の彼女、どうなったんですか？」
「ああ、お前と帰った前日かな？共通の友達から連絡があって、彼女離婚したらしいから本人に確認して、って言われて」
「……ん？」
「自分が確認すればいいのに……？」
「……それは、女性？」
「うん……タイミングよすぎるよね？そいつも710号の顧客だった気がするんだけど……」
二宮さんが、私をじっと見た。
「……これ、罠？俺らトラップにはめられた？」
二宮さんが楽しそうに笑った。
「だってもし、離婚したって聞いてなくて、お前に告白されたら俺別に断る理由なんてないもん、アッチの方ご無沙汰だし！」
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2016年12月31日 12時
