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「なんで？イケメンだったから？」
「違います！エレベーターで一緒になった時、顔色悪いよって心配してくれて、何かあったらピンポンしてくれていいよ、って」
「……ふーん」
二宮さんが納得行かないって顔してる。
「一人だったら行かないんですけど、なんだかあの楽しそうな幼馴染の人がいたから……」
「翔ちゃんね、あの人人当たり抜群だもんね、頭の回転も早いし陽気だし。ほんとはすげー怖いのに」
「そうなんですか？」
「それを気づかせないという才能もあるしね」
「……」
「で？」
「警察呼ばうか迷ってる、って言ったら、幼馴染さんが、中に入ってもらったら？って言いました」
「……うん」
「名刺もらって同業者さん、と答えて、あ、その時私の職場わかったのかな」
「そういや翔ちゃんに連絡してない」
二宮さんが、苦笑いした。
「……」
「だから翔ちゃん俺の会社どこか知らないよ」
「……」
「言っとくけどあの近所にIT会社何件あると思ってんの」
「……ですよね」
「同業者なら2軒横のビルの某大手広告代理店想像するだろうし。つまり、710号は、何らかの事情でお前の勤務先を知ってたってことだ」
「……そういえば、時々見かけてた、と言われました、帰る時間も一緒くらいって」
「ふぅん、それで？」
「それで、そのあと二宮さんが来てくれました」
「ヒーロー登場、と」
「で、二宮さんが帰ったあと、おやすみ、っていうメールが来て……不安で」
「ふぅん」
「そしたら、明日一緒に帰ろって雅紀くんからラインが来ました」
「おやすみメール来たこと言ったから？」
「おかえりメールは言いましたけど、おやすみメールのことは言って……ない……」
何かが引っかかった。
おやすみメールまでくることを、私は二宮さんしか言ってない。
「で？次の日一緒に帰ったんでしょ？俺にお前の妹のこと調べさせといてお前はイケメンとデート」
「……はい」
「どうした？」
「いえ、その日帰り道、初めて見た時からドストライクと思ってた、とか言われました」
「初めて見た時から？引っ越しのご挨拶の時ね」
「……そうですね……」
妙な違和感。
これ何？
「で？」
「あ、それで帰り道、コンビニに寄って……」
「うん」
「桐山くんが私に、今日遅いからプリン家まで宅配しようかと思ったとか冗談言われて、それを聞いた雅紀くんが怒って」
「桐山？ああ、親方ね。ニックネーム」
「……仲良しですね」
「まぁね」
二宮さんがカレーを頬張った。
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2016年12月31日 12時
