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「女の子はちょっと面倒かな？」
「そうなんですか……」
「だからかな？久々に恋したら女の子に対する距離のとり方わかんなくって！」
「距離……？」
「うん。どう近づけばいいかわかんなくてー。お客さんみたいに接したら一気に距離詰め過ぎってAちゃんに逃げられるし」
「……」
「それに……Aちゃんには好きな人がいるみたいだしね？」
ああ。
人から見たらバレバレだったんだ。
そっか。そうだったんだ。
思わず俯く。
「二宮さんのことですか」
「ほらね」
「妹にしか見られないんですって……ずっと好きな人がいたんだって、二宮さん」
「……」
「放っとけないって……」
「Aちゃん」
「……私、その人の代わりだったんだって、守れなくて後悔してたからって……私見てたらその人とかぶるみたいで……」
相葉さんが私の頭をワシワシ、と撫でた。
「悲しい？」
「依存してたし頼りにしてた、家族以外で信頼できる数少ない人の一人だった」
「……」
「でも、いつまでも頼っていられないもの……二宮さんは私の二宮さんじゃないもの。一人で頑張らなきゃ」
「一人じゃないよ、俺がついてる」
「でもそうしたら相葉さんに、迷惑が」
「迷惑じゃないって何回言ったらわかってもらえるんだろ」
相葉さんが私の手からマグカップをとりあげて、私の頭をふんわり抱き寄せられた。
「初めて見た時から話してみたいって思って、やっとここまで辿り着いたんだよ、諦められるわけないよね」
「……相葉さん？」
「俺のものになる？」
「……」
「二宮くんのことも、怖いことも嫌なことも全部忘れて俺だけみてよ？ね？」
相葉さんが吐息みたいにそう言った。
よろしくお願いします、って返事するのも変な気がして、うん、って頷く。
「いい？」
「ん」
こくん、と頷いたら、相葉さんが私をじいっと観察するみたいに見つめた。
髪を手で整えて、前髪をちょんちょん、と触れて、目尻を指先で撫でる。
優しい目。
大きな手のひらで私の頭を支えるみたいにして、唇と唇が一瞬触れた。
そっと目を閉じたら、角度を変えて頭を抱え込んで、ついばむようなキスに変わった。
はぁ、って熱い吐息がもれた。
「待って」
「やだ？」
首を左右にふる。
嫌じゃない、全然嫌じゃなくて。
は、って息を吐くだけの笑い声。
「Aちゃん」
相葉さんが覆いかぶさるみたいにまた唇を重ねてきた。
体が支え切れない。
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2016年12月31日 12時
