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私どうして引き止められなかったんだろう。
ハマっていくのが怖いと思ったから？
どうしよう、怒らせた？
モヤモヤしながら一晩を過ごして目が覚めたのがギリギリで慌てて準備をする。
ドタバタしながら準備して、マンションを出たところで、ちょうど出勤してきた管理人室のおじさんとすれ違って、おはようございます、と挨拶したら、いってらっしゃい！って笑ってくれた。
早歩きしながらいつものコンビニで掃除してるおばさんを見かけて、おばさんと目があった。
「おはようございます」
「おはよう、今日は遅いね！」
「寝坊しちゃった！」
「気をつけて！」
「ありがとう！行ってきます！」
笑いあって別れて、駅につく。
前にICカードの定期をなくした時、すごく親切にしてくれた駅員さんが改札の窓口にいた。
「あ、おはようございます」
「おはようございます、いつもの電車来ちゃいますよ」
「ほんとだ！急ぐ！」
「いってらっしゃい」
「行ってきます！」
笑いあって小走りで階段を駆け上がって電車に乗り込んだ。
はぁ。良かった。セーフ。
次の電車だったらギリギリになっちゃう。
この電車、ぎゅうぎゅうだ。
ホント嫌になっちゃう。
ため息をついた時、小さいお婆さんが埋もれて苦しそうにしてるのを見つけた。
「おばさま、大丈夫ですか？」
「え、どうも。電車がいっぱいでちょっと息苦しくなりますねぇ」
「そうですね、もうちょっと広いところにいたほうが……どこで降ります？」
「次の次で……」
「じゃあ、扉が開くのはこちらですので、もうちょっとこっち来れます？」
「はい」
おばあさんをちょっと引っ張って自分の位置まで連れていく。
手すりがあれば少しは違うよね。
つり革には届かない感じだし。
「ここ掴まっててください」
「ありがとう……こんなに満員だとは思わなくて……」
「たまに乗るとびっくりしますよね」
ちょっと話してるうちに目的の駅についておばあさんと別れた。
私も最寄りの駅について、押し出されるように駅のホームに立つ。
そのまま職場に向かって歩いていたら、会社の近くのラーメン屋さんの出前とった時に配達してくれるお兄さんとすれ違う。
「あ、まいど！」
「おはようございます！早いですね」
「ああ、ちょっと用事があって……そういや最近頼んでくれてないですよね！」
「お兄さんの顔見たらチャーハンの口になった！お昼頼もうかなぁ」
「お待ちしてます！」
手を振って別れて歩き出す。
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2016年12月31日 12時
