〇≠無の証明Ⅲ (ページ12)

今日:5 hit、昨日:38 hit、合計:1,707,304 hit

調査始動(2016/11/14) ページ12

「40歳以上生きられない呪われた血、魔女狩り……なんか血生臭い話になってきたな」
櫻井さんがはーっとため息を吐く。

「すみません、信じられませんよね……妄想癖が酷いと言われて病院に連れて行かれそうになったので……」
紫音くんがうなだれた。

「孤独だったよね」
相葉さんが紫音くんをの頭をぽん、となでた。

「信じてくれるんですか？」
「信じるも何も」
松本さんが微笑む。

「あのさ、俺君の年くらいにはもう人間以外のものが見えてたんだよね」
「……」
「病院に連れて行かれなかった理由は、そういう血筋だったから。処世術を教えてもらったんだよね、むやみに人に言わないという」

紫音くんが松本さんをじっと見つめた。

「例えば人より耳がいい。隣の家の電話の音が家の中で聞こえるくらい耳がいいとかそういう人をいちいち病院に連れて行かないでしょ」
「はい」
「でもさ、毎回毎回隣の家の電話が鳴ったよ！ってみんなに言ってたら面倒でしょ？」
「……ふふ」

紫音くんが綺麗な笑顔で笑った。

「俺もここにくるまでは、滅多に能力のことは言わなかった、なぜなら、人は見えないものや自分の知らない世界を知るものが現れると」

松本さんが、はあ、ってため息を吐いて、少し笑った。寂しそうに。

「嘘だと決めつけたり、バカにしたり、逆に怖がられたり、利用しようとするやつが現れる」
「……」
「わかってもらえる方が奇跡」

松本さんが微笑んだ。
「おかげさまで、ここには俺の能力ではなく、俺を、信用してくれる仲間がいるからやりやすいけどね」
「それ言うなら俺もそうだわ」

二宮さんがぽつりと言った。
「紫音くん、俺ね、女神さまに愛されて、彼女作れないの」
「……え？あはは、え？」
「だよね、そう思うでしょ？」

二宮さんがはあ、ってため息を吐いた。
「俺の後ろのにはね、怖くて綺麗な女神様がついてるから気を付けてね」
二宮さんがそう言ったのを聞いて、え？って言いながら櫻井さんを見た。
櫻井さんが頷く。

「ちなみに相葉さんは人の思念なんかを光として感じることができる」
櫻井さんが相葉さんに話を振った。

「そう、俺はね、人の感情が光か影かで見ることができるの、例えばAちゃん」

……え私？
思わず相葉さんを見る。

「すっごく嬉しいことがあって幸せ、ってこともないし、何か悩みがあって絶望にとらわれてたりしていなくて、全くのニュートラルなの」

どういう意味だ。