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異常にペコペコ謝りながら送られる帰り道。
当然5分とかで家につく。
徒歩5分のコンビニなんだもの。
「あ、あれです、あのマンションです、ありがと……ええっ？」
そのまま通り過ぎて、えー！とか言いながら相葉くんを見たらクスクス笑ってる。
「さらっていっちゃおっかなぁ」
さらわれたい！
ぜひとも！
だけどお願い。
『君をさらいに来たよ』って来てくれるのは、
せめて上下セットの下着をつけている日にしてほしい！
服装だって！
何故昼ごはんの素麺のだしみたいなシミがついたワンピを着てるんだ私は！
「うそうそ！……じゃあ、今度いつ会える？」
「それはこっちのセリフです！私は今日以外ならいつでも」
「今日以外？」
ああ、男性には永遠にわからない。
次会う時までになるべく1キロでも痩せたい、1センチでもウエストを縮めたい。
とかそういうの。
「明日までに体調とか整えます！」
「体調とかって！アハハハハ！Aって変なの！」
なんかすごい笑われてる。
「でもごめんね、明日は無理かなぁ。来週かな、確認して連絡するよ」
相葉くんが、むふふってまだ含み笑いをしながら私を、チラッと見た。
「はい！」
「超いい返事！」
ああ、また笑われてる。
そんなおかしいかなぁ。
私なにかおかしな事言った？
町内をドライブして、うちのマンションの前に到着して、相葉くんがハザードランプをつけた。
「じゃまたね、A」
「……はい」
てれてれ。
頭をぺこり、と下げて車からおりて、見えなくなるまで見送って、ううう、これフツーに恋人みたいじゃない？
ってときめいた。
のに。
……連絡が、こない。
ももちゃんと真くんはお試しで付き合うことになったらしくて楽しそうなのに。
相葉くんから連絡が来ない。
からかわれたのかなぁ？
全然連絡がないってことは、はっと我に返ったのかも。
なんでこんなフッツーのどこにでもいる変な女とわざわざ付き合わなきゃなんないのかとか。
周りを見渡せば、同じ人間とは思えないような可愛い子もたくさんいるわけで。
それに普通に考えて、段取りとしてはデートとかして、キスとかしてからお泊りだよね。
だけど相葉くんは、外でデートとか堂々と遊べないから、ゆっくり話すとしたら室内で。
……だから部屋に誘ったのか！うち実家だし！
とかやっと気づいて、早まった自分のバカさに気絶しそうになった。
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2015年7月31日 19時
