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えっとえっとえっと。
おちつけ、落ち着け私。
これが！落ち着いていられるかあ！
「さっきAちゃんがコンビニで知らない奴といちゃついてるのみて、絶対盗られたくないって思った」
う！キタ！これ胸がきゅうううんってやつ！
息絶え絶えになりながら、返事。
「……あれはいちゃついてるというより……」
「でも！やだったの！知らない奴に頭叩かれたり、回し蹴りされてるの見るのがやだったの」
相葉くんが、むーって口でちょっと怒ってる顔？
でもあの。
「回し蹴りをしたのは私ですよ！」
「でもダメだよ、なんで叩かれるんだよ！」
「同級生だし……」
「俺のAちゃんなのに……」
これは夢か？
夢だ。うん。あはは。
「なんで笑ってんの？」
「え？」
ああ、ルームミラーであははって感じになってるの見られてた。
「キャパオーバーです。好きな人に好きって言われるのってこんな嬉しいもんでしたっけ？」
「ええ？」
相葉くんが目を丸くしてアハハって笑う。
「私少なくともここ５年くらい、好きですってちゃんと言われて付き合ったことないし」
「どうやって付き合ったの？」
「あ、気付いたら……」
付き合うとか前にキスしたりしたからですね、なんていえない。
「なんとなく……」
「ふうーん」
「だから別れるときも、付き合ってたんだ、という……」
「なにそれ！こっわ！」
相葉くんがケタケタ、笑った。
「じゃあ、ちゃんといおっかな。ねえ、俺と付き合おっか」
「はいよろこんで！」
「じゃあ、今からうちにおいでよ！」
「いや、だからそれは無理ですってば」
「どうして？」
「……今日は！胃がむかむかしてて！マジで吐きそう！」
「あはははははは！チューできないじゃん」
「チューとかほんとやめたほうがいいですって、事件になりますよ、悲劇です」
「なんでよー！看病したげるよ？」
意外に押しが強い！
「あの、できれば万全の体調で臨ませていただきたい！」
「なにを！」
「せめて可愛い下着つけて行きたい！」
「うひゃひゃ！そんなつもりないよ！」
はい、自爆。
「ああ、フライングしちゃった……」
「Aっておっかしー」
「あ、……名前、」
「いいでしょ？同期も同級生からもAって呼ばれてたのちょっと嫌だったんだよね」
「……」
「いいよね」
「はい」
「じゃあ今日は諦めておうちまで送るね！」
相葉さんがにーって笑った。
ああ、これは夢かもしれない。
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2015年7月31日 19時
