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「真ちゃん、そこで完全に惚れたー！って。で、二人で会ってくれそうもないから、Aちゃんと二人ならいいかなって」
ももちゃんのオッサンっていうか姉御肌なとこに惚れたんならそれは見る目あるじゃないの、真くん。
しかし。
なんてことを。
相葉くんに！
しかも。しかもしかも。
まさかの、
相葉くんが真くんの引き立て役？
パセリ役。ありえない。
「引き立て役なら相葉くんじゃ逆効果！」
「ん？そんなことないよ？」
「……そんなことあるでしょうよ……」
「ふたりけっこういい雰囲気だったよー！よかったよね」
「……それはラッキーだったんだよ、普通なら好きになっちゃうんだよ、相葉くんを」
「そんなことないよー」
「好きになっちゃうよ、普通はね」
「ならない！」
「なる！」
なんで声が聞こえる位、近くにいるのに、車の中と外で、しかもラインで通話してんだろう。
無料だからいいけどさ！
「なんなかったじゃん！」
「ああ、ももちゃん？ももちゃんはヒゲ生やしててグラサンみたいな……」
「ももちゃんじゃなくて！」
「ももちゃんみたいなオラオラ系がすきーとか、あとはくまさんみたいな人が好き！とかおすもうさん好きとかじゃない限り」
相葉くんがため息をはいた。
ため息を吐かれた！
相葉くんが！
ため息吐いたら、幸せがひとつ逃げてっちゃうんだよ！吸わなきゃ！スー！
とか言いそうなのに！
全力で吸っちゃって大きく吐いちゃって、
深呼吸になっちゃって、
あ、ダメだ、吐いちゃった！とか言いそうな人なのに！
頭を、ぽりぽり。
困った顔。
「……だって、Aちゃんは」
「……ん？」
「俺のこと、好きになんないじゃん」
「へ？」
「好きになんないじゃん！」
「あの、私、ずっと相葉くんが好きって気づかなかったんですか？もしかして」
「……知らないよ！」
「あの、そろそろ通話やめません？」
「だね。後ろ乗って」
相葉くんがそう言って、通話を終えた。
後部座席に乗り込んだら相葉くんがくるん、と振り返る。
「Aちゃんって翔ちゃん好きなんでしょ？元気か気にしてたりしてたし。会わせろとか言わないからいい子だなーって思ってた」
「……会わせろと言わない子をイイコ扱いは間違ってるかと思うんだけど」
「そうかなぁ？」
相葉くんの基準がまずいです！これは！
騙されるやつだ！私が守ってあげなきゃ！
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2015年7月31日 19時
