2 ページ3
「ファンでいても、いいですか？」
「そりゃあ、一番のファンでありー？もちろん彼女でありー？たまには親友でもありー？家族……はまだちょっと早いか！あは！」
ぐふうう！
大げさに仰け反ってバッタリ倒れたいのを必死の思いで立て直す。
鼻血の心配しなきゃ。
鼻血用のティッシュすぐ取れるように準備しなきゃ。
「あ、ごめん、ちょっと調子乗っちゃったかな？」
私の鼻血の心配の顔を、困った顔に勘違いしたようだ！
これはまずい！
「違うの、えっと、嬉しいです」
「なにが？」
「か……」
家族とか言ってくれたやつですけど、まだ早いってことは、あのもしかしてそれは、遠まわしにプロポーズ……。
は！まずい、今のは適当に言っただけなんだよきっと！
こんなことで一気にテンション上がって振られた日にゃ目もあてられない。
天国から地獄。
天国と地獄。
んっちゃちゃちゃ、ちゃちゃちゃちゃ、ちゃちゃちゃちゃちゃちゃーん、
赤頑張れ、白早い。
ダメだ、私ダメだ、正気を保てない。
「か？」
「か……勘違い！うん。そんなこと言われたら、かんちがい、しちゃうじゃないですかー！あっはっはー！」
なんだこの笑い方。
私動揺しすぎ。落ち着け。もちつけ。
「かんちがい……」
「自惚れちゃうー、やめてー！」
「……」
「家族とかやめてー！死んじゃうー」
あ、言っちゃった。勢いで。私絶対今日変な奴。
「死んじゃうってのは、心臓とまるって意味ですよ！ね、ところで晩ご飯なんですけど」
「勘違いしても、……自惚れてもいいのに」
「……え」
……いま、なんておっしゃった？
聞き間違いではなければ、それは、その。あの。
私の戸惑った顔を見て、相葉くんの目に、一瞬影が落ちた。
この子もそうなのかな。
俺の何をみて好きって言ってるのかな。
そんな感じに、表情が一瞬ゆがんで、ゆっくり笑顔に変わった。
「なーんてね、俺重いよね、きもーい！まだ付き合って一週間だよー！」
「キモくない……」
「ええ？キモイっしょ？いいのいいの！忘れて！」
相葉くんが、笑ってる。
ああ、この顔させちゃった。
相葉くんが笑ってるときは、嬉しいとき楽しいときだけではなくて、悲しいときとか苦しいときとか、よし俺頑張れってときにも笑う人で。
そんな人だから大好きで、
ホントに笑ってるときとそうでないときの違いなんてお見通し。
だって！なぜなら！
好きだから！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2309人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2015年7月31日 19時
