昨日の君に逢いにいこう[N]２ (ページ25)

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60、枕持って涙目ページ25

誰もAに夜這いに行かないように俺が守るんだって
ワケのわかんない正義感を振りかざした櫻井くんが、私をさっさと茶室に押し込んだ。
30分くらい、寝ようと思って目を閉じたけど、静か過ぎて、それになんだか怖い。

とうとう、隣の部屋をノックした。
「どうした？」
櫻井くんの声。

「暗くてさびしくてやだよ、開けて」
「だめです」
「目が覚めてみんないなかったらどうしよう、やだ怖いよ」
「狼の中に子羊の方が危険なんだ！辛抱しろ！」
「やだあ、怖いよ、風の音のヒューヒューって音、女の人の悲鳴に聞こえるの、人の気配もする気がする、視線感じる！怖い！」
「……」
「じゃあ、お願い、誰か一緒の部屋に寝てよ！一人じゃやだよ！」
「Aがそこまで言うなら仕方ないなあ。一緒に……」

「絶対ダメ！ダメ！早く開けてあげて！A、今開ける！」
和の声。

「そうだよ、いいじゃん、こっちにおいでよ！そんなこと一番気にしてる翔ちゃんが一番危険な人に見えるよ！」
相葉くんの声もする。

「確かに」
松本くんの、声も。
ふふふって大野くんの声もした。

翔くんが、仕方ないなあ、ってしぶしぶ離れのドアを開けてくれた。
タオルケット頭からかぶって、枕持って涙目になってる私を見て、
櫻井くんが、うわああ！って驚いた。

「お化けにみえたの？」
目を見開いて、コクコク頷く。
「サイテー……」
「いろんな意味でお前ちょっと危険」
「なにが」

「枕持って涙目でこっちみんな！」
枕をなげられて、顔面にクリーンヒット。
この声は。

「和！なにすんのよ！」
「ちがう、これは！」
枕をええいって投げ返したら、相葉くんも和に向かって枕を投げる。
「うわあああ」
「ええーい！」
「俺を巻き込むな！」
相葉くんと和と櫻井くんがわあわあやってる。

松本くんが、お菓子か何かの入ったお皿を持って避難した。
大野くんが、何かの缶と枝豆をもって、移動。
「その缶……」
「ノンアルビールだからいいでしょ！」
「ほんとに？」
「……」
「俺コーラ」
松本くんが澄ました顔でコーラをのんでるけど、コークハイというのもこの世にはあって。

「……私もパーティに入れてよ」
「ん」
松本くんが、はいってチョコのお菓子をくれた。
「おいしい……」
「元気そうで安心した」

３人が楽しそうに暴れてる姿を見ながら、更ける、夏の夜の夢。