８、強い想い ページ8
櫻井くんの言葉に皆が一斉に、またかよ、って顔をした。
「未来を見たんなら、揺るぎない確信がもてただろうな、そいつは。私は絶対こうなるんだって揺るぎない確信が！」
「はあ……」
「やっぱりさ、成功する奴は、絶対こうなってやる、という強い信念？強い想いがあって、時には常軌を逸していて……」
「つまりね、」
目の前の二宮くんが私の目をジーッと見た。
「願いが叶うんじゃなくてね、その鏡は未来を覗けるっていう魔法の鏡なんじゃないの？ってね、そういうことになった」
「……」
「タイムスリップなのか願いが叶う鏡かどうかは真相なんてハッキリ言ってどーでもよくて」
「うん」
「問題は、その鏡を探して皆が必死になっちゃったんだよね？」
「……そうなるよね」
「でもね、大事なことが一点ある、それはね、その願いを一番つよく望んだ奴しか見れないってことだろうね」
二宮くんが、はー、ってため息を吐く。
「全部の鏡にせっせとお願いして回った奴がいるわけよ。でもね、意中の彼の心は手に入らなかったんだよね」
「あ、やっと本題」
大野くんが、眠そうに目をこする。
「タイミングかな、とかね。願いがかなったり、未来を覗いたやつを探して統計とった奴もいた。大変だったらしいけど」
「それで？」
二宮くんに聞いたら、あ、やっぱAもそーゆーのに興味あんの？って笑う。
なぜ呼び捨てなんだろうという謎はもう考えないことにする。
「タイミングとかじゃなくて、自分がどれほど強い想いでそれを願ってるかが肝心なんじゃ？ってことになった」
「……」
櫻井くんが松本くんをチラッと見て、言う。
「松本くんの彼女になる夢を見たい！ってね、何人もの女の子が鏡の前で叫んでも誰も松本くんの彼女にはなれなかったという」
「……げ……」
「お前今何で『げ』って言ったんだよ？なんで嫌そうなんだよ？言ってみろよ？」
松本くんが半笑いで怒ってる。
「すみません」
「俺はそう簡単に夢に出てきてやんねーぞ！」
「頑張ってください」
「うん」
にこにこにこ。
あ、急に天使みたいな笑顔になった。
なるほどギャップ萌えか！
「かわいそうじゃん……好きなだけなのに……」
相葉くんが、しょんぼりして言った。
「松本くんの彼女になりたいって願い事が至るところから聞こえてきてもお前平然としてられる？俺がすごい勢いで男友達から避けられていく気持ちを考えろよ！」
松本くんが、がっくりうなだれた。
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みゅう(プロフ) - 解放ありがとうございます。涙。だいすきです。。 (2019年10月20日 22時) (
レス) id: 94596ebf5a (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - この学校に通いたいです。。こんな青春したい。。よしのさんのお話すごいツボです〜 (2016年1月6日 22時) (レス) id: 8994b070b7 (このIDを非表示/違反報告)
RAITO - こんにちは!!RAITOと申します。読ませていただきました。今までとは少し違うテイストの物語でわくわくします《*≧∀≦》青春の甘酸っぱい香り!! (2015年6月27日 11時) (レス) id: 485e47e579 (このIDを非表示/違反報告)
ちょりん(プロフ) - 高校までの6年やってたユーフォが出て浮かれてたら、最近始めたコンバスが！しかも担当が！勿論話も楽しくて(><)何があるのかドキドキしてます！ (2015年6月10日 1時) (携帯から) (レス) id: 83acbf6b6f (このIDを非表示/違反報告)
ぽにょか(プロフ) - 青春、ＳＦ、長編、どんと来〜い♪ 楽しいです。切なさもありつつ、和の避けたかった未来、それでよかったのか和と、分からないまま 和を叱咤激励、主人公ちゃんを応援しながら日々過ごしてます。 (2015年6月9日 23時) (携帯から) (レス) id: 0bab093355 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2015年5月30日 17時
