33、見たい未来 ページ33
「ひとつ教えて」
「ん？」
「どうして、未来に行けたの？」
「……ん？」
「何かを強く望んだ人が未来を見れるんじゃなかったの？」
和が、ちょっと笑った。
「俺はね、見たい未来があったの、それを見に行ってた」
「……え？」
「俺は、ある事を強く望んだの。その未来を見に行ったんだよ、まさかたったの２年後にしかいけないなんてしらなかった、もっとジジイになった頃の未来を見たいって言えばよかったよね」
和がくすくす笑う。
「どういうこと？」
「未来が変わったら教えてあげる」
「うん」
「だからー、仲良くしててね」
うふふってやっぱり、なんだかよくわからない複雑な笑顔を見せた。
どうしようもなく、どんどん惹かれる毎日で。
和はやっぱり彼女と仲良くて、
それも、もしかしたら、その未来を変えるためになのかなって思うほどの。
和の考えてること全然わかんない。
私たちは、高校３年生になった。
もうすぐ、私は和のことを嫌いになる事件が起こる。
でも、そんなはずないって位、
すごくすごく好きで、どうしようもなくて、
そばに居ればいるほど、惹かれて行く。
相葉くんは、先輩のことを諦めきれずに、大学も追いかけるって言って、
大野くんは、実はちょっとした大きな会社の下請けの、そこそこ大きい会社の御曹司だったらしくて、帝王学を学べって言われて逃げたくて、
松本くんは、らんちゃんとちょっと倦怠期。
永遠とも思えた日々は容赦なく過ぎていく。
もうすぐ、和の誕生日だ、ってころ。
眠そうにぼおっとしてる和に聞く。
「ね、お誕生日、どうするの？」
「さあ……」
「クラブ休むよね」
「どうかなー。前の日の晩、お友達とお泊りって言って出てくるとか言ってて。一晩一緒に過ごしたいとか言っちゃってさ。二日続けてデートってどうなの」
和が何気なくいった言葉に。
そりゃ、健康な男女なんだもん、やることはやってると思ってたけど、
それを目の前に突きつけられると、嫉妬で頭がおかしくなりそうだ。
「いいな」
「……」
「Aちゃんー」
相葉くんが、ちょっとちょっとって手招きした。
ナイスタイミング。
「はーい」
「あのさー……前同じクラスだったワタナベが呼んでる」
「え？」
「俺と今同じクラスのワタナベじゃない方」
らんちゃんとはまた同じクラスで、相葉くんとは離れて、隣のクラス。
相葉くんのいない教室はさびしい。
相葉くんが満面の笑みで私を見下ろした。
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みゅう(プロフ) - 解放ありがとうございます。涙。だいすきです。。 (2019年10月20日 22時) (
レス) id: 94596ebf5a (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - この学校に通いたいです。。こんな青春したい。。よしのさんのお話すごいツボです〜 (2016年1月6日 22時) (レス) id: 8994b070b7 (このIDを非表示/違反報告)
RAITO - こんにちは!!RAITOと申します。読ませていただきました。今までとは少し違うテイストの物語でわくわくします《*≧∀≦》青春の甘酸っぱい香り!! (2015年6月27日 11時) (レス) id: 485e47e579 (このIDを非表示/違反報告)
ちょりん(プロフ) - 高校までの6年やってたユーフォが出て浮かれてたら、最近始めたコンバスが！しかも担当が！勿論話も楽しくて(><)何があるのかドキドキしてます！ (2015年6月10日 1時) (携帯から) (レス) id: 83acbf6b6f (このIDを非表示/違反報告)
ぽにょか(プロフ) - 青春、ＳＦ、長編、どんと来〜い♪ 楽しいです。切なさもありつつ、和の避けたかった未来、それでよかったのか和と、分からないまま 和を叱咤激励、主人公ちゃんを応援しながら日々過ごしてます。 (2015年6月9日 23時) (携帯から) (レス) id: 0bab093355 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2015年5月30日 17時
