18、好みのタイプ ページ18
「コラ！そこの二人！風紀を乱すなよ！」
後から、櫻井くんの声がして振り返る。
「風紀なんて乱さないよ！特に、松本くんは呪われちゃうんでしょ？」
「六条の御息所にね！」
「……ん？なにそれ」
「源氏物語！古典の授業でさらっと習うだろ？センターにはあんまり出ないけど入試だと……」
ん？櫻井くんってどこの大学狙ってんだろう。
「……櫻井くんは、どこの大学いくの？」
「内緒です」
にやりと笑う、櫻井くん。
「成績のいい人間って２種類いるんだよね、勉強ばっかやってて頭がいいやつと、それ以外でも人生謳歌しつつ成績もいいやつ」
松本くんが苦笑いしながら言う。
「わかる！勉強が得意な子と、勉強も、得意な子ね、文武両道」
「そう。この人は明らかに後者。天は二物を与えずとかいうけど、それって嘘だよね」
「うーん」
「眉目秀麗、明朗闊達、頭脳明晰」
「やめたまえ、松本くん、もっと言え！」
「で、お茶目で明るくてさ、あとカリスマ」
「うはははは、褒めても何にもでないぞ！」
「欠点は……ややヘタレであるってことくらいか？欠点すら長所だからねこの人」
「ヘタレが長所？」
聞き返したら櫻井くんがむーっとした。
「そういやA。男の好みの話でさ、キミはどれだけイケメンでもヘタレは嫌と言っていた」
櫻井くんがわざとらしく大きな目を見開いて、睨んできた。
「言った！」
「たしか、俺様とか天然ボケとかマイペースとかも嫌だと言ってたな」
「……うふ」
櫻井くんが部室をぐるんと見渡した。
「あれ？おっかしーな！あそこにいるのは天然だしー」
相葉くんが背中に何かついてる！って言いながら自分の背中を追っかけてぐるぐる回ってる。
それを二宮くんが見て笑ってる。
「あそこにいるのはマイペース」
大野くんが窓際の気持ちいい風が吹いてるとこで、顔につりの雑誌を乗せてお昼寝中。
「この子はホントは天使みたいないい子なんですけどねぇ、行動ひとつひとつが偉そうっていうか俺様なんですよ！おくさん！」
櫻井くんが口元を押さえて内緒話みたいに松本くんを顎でしゃくる。
「例えば？」
「人を呼ぶとき、指でこう」
手のひらを上に向けて指先でくいくいって動かす。
「『こっち来いよ』ってやるんですって！」
「翔子さん、全部聞こえてるんですけどー」
「アラヤダ！」
あははって笑ってる、櫻井くん。
……こっち来いよ？好きな人になら言われてもいいけど、みんなにやってるんだとしたら。
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みゅう(プロフ) - 解放ありがとうございます。涙。だいすきです。。 (2019年10月20日 22時) (
レス) id: 94596ebf5a (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - この学校に通いたいです。。こんな青春したい。。よしのさんのお話すごいツボです〜 (2016年1月6日 22時) (レス) id: 8994b070b7 (このIDを非表示/違反報告)
RAITO - こんにちは!!RAITOと申します。読ませていただきました。今までとは少し違うテイストの物語でわくわくします《*≧∀≦》青春の甘酸っぱい香り!! (2015年6月27日 11時) (レス) id: 485e47e579 (このIDを非表示/違反報告)
ちょりん(プロフ) - 高校までの6年やってたユーフォが出て浮かれてたら、最近始めたコンバスが！しかも担当が！勿論話も楽しくて(><)何があるのかドキドキしてます！ (2015年6月10日 1時) (携帯から) (レス) id: 83acbf6b6f (このIDを非表示/違反報告)
ぽにょか(プロフ) - 青春、ＳＦ、長編、どんと来〜い♪ 楽しいです。切なさもありつつ、和の避けたかった未来、それでよかったのか和と、分からないまま 和を叱咤激励、主人公ちゃんを応援しながら日々過ごしてます。 (2015年6月9日 23時) (携帯から) (レス) id: 0bab093355 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2015年5月30日 17時
