２、出会い(高校２年生、春) ページ2
「すみません……」
信じられないことに、高２の春に、父親の転勤で転校生になった私。
嫌だ、ここに残るってだいぶわがまま言ったけど、
父の会社は基本的に単身赴任を禁止していて、
だから半強制的に転校生になった。
この歳の転校生って、最悪。
凹んでたら、前の高校でブラバンやってたって聞いた担任が、自分が顧問をやってるブラバンはいりなよ、同好会がクラブになる！って言った。
おともだち、できるかな。
軽い気持ちで見学に、行く。
４人以下なら同好会で、５人以上ならクラブだって言ってた。
ってことは、私が入ったらクラブになるのね。
なんて思いながら、メンバーのことも知らずに、第三音楽準備室を目指した。
同じクラスの女の子は、ブラバンに入ろうかなって言ったら、
え！って小さく声を上げて、入れるかなあって、言った。
「試験とかあるの？」
「うん。かなり厳しい審査がある」
「……」
「まあ、頑張って！私バイトだから」
せっかく気の合いそうな、らんちゃんってオトモダチできたのに。
慌てて帰ろうとするから、なんだか変だなあとは思ったんだ。
「一緒に……」
「ああ、紹介状がないと無理だから、もし入るなら私も誘ってよ。打楽器くらいならできるかな」
「……え？」
「まあ、行ってみたらわかるよ!松本くんに宜しくね、でも私が宜しくって言ってたこと、言わなくていいからね」
「どういうこと？」
「行けばわかるよ！」
全然わかんない。
もやもやしながら、
担任の、平居先生を頼りに、第三準備室の扉を叩いた。
「すみません……」
「ね、かえってきてよみんな」
中から、声がした。
「すみません！」
ちょっと大き目の声をだしたら、がちゃっと扉が開く。
「あ！きみ、てんこーせー」
あひゃあって笑って、私を見下ろす、明るい笑顔。
「どうしたの、Aちゃんだよね？ね？」
同じクラスかな？
「あの……」
「誰？」
中から、低くて、ちょっと鋭い声がした。
目が合ったら、その人の丸い目がもっと丸くなる。
「どうしたの、こんな僻地に」
「あの、平居先生が……」
「ああ、そういやなんか言ってたな。……どうぞ、こちらへ」
妙に爽やかな笑顔を見せたその人が、きらんって笑った。
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みゅう(プロフ) - 解放ありがとうございます。涙。だいすきです。。 (2019年10月20日 22時) (
レス) id: 94596ebf5a (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - この学校に通いたいです。。こんな青春したい。。よしのさんのお話すごいツボです〜 (2016年1月6日 22時) (レス) id: 8994b070b7 (このIDを非表示/違反報告)
RAITO - こんにちは!!RAITOと申します。読ませていただきました。今までとは少し違うテイストの物語でわくわくします《*≧∀≦》青春の甘酸っぱい香り!! (2015年6月27日 11時) (レス) id: 485e47e579 (このIDを非表示/違反報告)
ちょりん(プロフ) - 高校までの6年やってたユーフォが出て浮かれてたら、最近始めたコンバスが！しかも担当が！勿論話も楽しくて(><)何があるのかドキドキしてます！ (2015年6月10日 1時) (携帯から) (レス) id: 83acbf6b6f (このIDを非表示/違反報告)
ぽにょか(プロフ) - 青春、ＳＦ、長編、どんと来〜い♪ 楽しいです。切なさもありつつ、和の避けたかった未来、それでよかったのか和と、分からないまま 和を叱咤激励、主人公ちゃんを応援しながら日々過ごしてます。 (2015年6月9日 23時) (携帯から) (レス) id: 0bab093355 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2015年5月30日 17時
