6.空虚の華 ページ9
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男吉原。吉原の唯一の出入り口、大門 木戸をくぐった。くぐれば、すぐに客引きが寄ってくる。勿論、女である若葉も標的にされている。
格子の中で三味線やらをしている遊男達。女にも見える容姿をした男や、身の引き締まっている整った顔をした男もいた。客のほとんどは女。中には大名の妻などが来たりすることがあるようだ。
「どんな男をお探しですかい」
「是非、花ノ宮楼へきてくだせい」
「うちの東雲楼はみんな美男子でさぁ」
東雲楼、それを聞いた途端に振り向いた。見つけた。心が昂るのを感じた。
「東雲楼の花魁、呼んでくれ」
「は、はいっ」
客引きの男は、突然の亜簾の言葉に驚いたが、すぐに見世の方へ向かっていった。
「若葉、引手茶屋行くぞ」
「あっ、はい！」
格子の男達に穴が空きそうなほど若葉は魅入っていた。
男でも
「若葉、お前どうすんの」
「えっと、亜簾様と…」
「それは嫌だ」
そうですよね、と肩を落としながら落ち込む若葉を流石に亜簾は気遣って、確かめたいことがあるんだ、と理由を付けてカバーした。若葉には全く慰めにはならないが。
引手茶屋に着くと、若葉は亜簾とは別の隣の部屋に入った。亜簾も部屋に入り、少し刻が経った。障子を開け外を見ると、恐らく東雲楼の花魁道中が見えた。
「二人…？」
亜簾は、不思議に思った。花魁と見える者が二人居た。一体、どういうことだろうか。ここまで来て見世を間違えたのか。
その時、遠目ながら一人の花魁らしき男と目が合った。耳に鈴が下がった現代で言えばピアスのようなものをつけていた。それが揺れてりんっ、と鳴った、何かが心の奥底で熱くなるように感じた。
「……！」
男はふ、と微笑すると、亜簾から目を逸らした。その花魁が引き連れた道中はこの引手茶屋に向かってきていた。
あの男がAなのだろうか。背丈も容姿も何もかも目を疑うほど変化していた上に、男らしさ、美しさを兼ね備えていた。
亜簾は初めて、少しの緊張感を感じていた。
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また、A様出せなかったァァ！スミマセン。次100%でます。
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Ria。(プロフ) - 初めて見たのですが、、ッ好きすぎます。尊すぎます。こんな尊い小説があってもよろしいのでしょうか。ええ、もちろんあってよろしいです。この素晴らしい小説に出会えて良かったです！！ (2022年4月29日 18時) (
レス) @page46 id: 6d33a476b4 (このIDを非表示/違反報告)
大手裏剣(プロフ) - 藤雲ルアリナさん» あああ！お喜ばれる小説を書けていたようでとても嬉しいです！やる気でますね……頑張りますね！ (2020年4月8日 15時) (レス) id: fe109e5f3f (このIDを非表示/違反報告)
藤雲ルアリナ - 世界観、空気、文体、ストーリー、もう何もかも好みです！毎回更新楽しみにしてます！ (2020年4月8日 0時) (レス) id: 3165ea2c89 (このIDを非表示/違反報告)
大手裏剣(プロフ) - 氷浦メグさん» ひえぇっありがとうございます泣 これからも暇潰しにでも覗きに来てください… (2020年3月13日 17時) (レス) id: 54569fedb3 (このIDを非表示/違反報告)
氷浦メグ(プロフ) - 初見です。尊いですありがとうございます！ (2020年3月13日 13時) (レス) id: 3357bae399 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愛之助
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/oh19years/
作成日時：2019年2月16日 22時
